イランカラプテー。
北海道アイヌ協会は、アイヌ民族へのあらゆる支援と地位向上を目的に社会的信頼性を増す公益社団法人へ移行し、この4月で三年目に突入します。
昨年度は、役員研修会・各地区アイヌ協会との情報共有など組織強化の仕組みや国への要請活動の促進、平成32年度開催の東京五輪・パラリンピックでアイヌ文化の披露を想定した検討財源などが年度途中で確保され、多少とも慢性的資金不足が和らぎました。各関係者のご努力にお礼申し上げます。
さて、本年は、協会設立から70年を迎える大きな節目の記念の年です。
大きく意義のある年とするべく、今一度、皆さんとともに将来に向けた共有共感の活動内容の土台作りをして参りたいと検討しているところです。
アイヌ民族に限らず世界の先住民族が経験した歴史は、各々の国で価値観の片寄りを国内に抱えながら今日を迎えております。国際社会は、その先住民族の歴史を、人類史に明確に位置づけ、地球環境や人権の基準づくりなどにおいて、今後とも本質的な価値基盤の主体的な担い手とするべく「先住民族の権利に関する国連宣言」などを整備してきました。
平成28年度の総会では、我が国においても国会決議や有識者懇談会報告書などに明記された提言内容とアイヌ民族の組織設立の原点に立ち返りながら、これまでの来し方、行く末を踏まえた活動方針を定めたいと思います。
また、70周年に相応しい記念事業を実施し、心からの結束を固めていく礎(いしずえ)を求めたく考えております。イランカラプテキャンペーンでは、引き続き多くの企業などの協賛を頂いており、大変有り難く「感謝」の一言です。
「民族共生の象徴となる空間」の設置には広域連携等で一層の充実を図り、北海道が要望している第3次アイヌ生活向上推進方策の継続とともに次世代の子供の教育、経済などを支援する法律の整備も、諸外国の取組み同様、必須のことです。
新たな法律制定については、アイヌ政策推進会議が開催された昨年10月1日も、総理官邸において国が主体となった総合的な政策の根拠となる法律の制定のための要望書を高橋知事と並んで菅官房長官に手渡したところですし、本年3月28日にも鈴木宗男新党大地代表のご配慮により、菅義偉官房長官に直接お会いし、改めて要望書を手交し、立法への検討に着手したいとの前向きな意向を伺ったところです。
本年を含めここ数年は、アイヌ政策確立の観点から大変重要な時期となります。事務局体制も強化されましたので、より強固で信頼性ある一体的組織となるよう皆様とともに結束して邁進したいと考えておりますので、引き続き皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
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