Up 国・道を相手取りサケ漁権利提訴方針 (2020-01-14) 作成: 2020-01-14
更新: 2020-08-18


      読売新聞 北海道版, 2020-01-14
    アイヌ「先住権」提訴
    4月にも 浦幌協会
    サケ漁規則不適用確認
     浦幌町の浦幌アイヌ協会 (差間正樹会長) は、水産資源保護法などで禁じられた河川でのサケ捕獲が、先住民族が持つ権利「先住権」に当たるとして、法律や規則が適用されないことの確認を求め、国と道を相手取って訴訟を起こす方針を固めた。アイヌ民族による先住権の確認を求めた訴訟は初めて
     差間会長と原告側代理人の市川守弘弁護士によると、4月にも札幌地裁に提訴する。

     先住権は、土地や資源の利用権、政治的な自決権などを意味し、2007年に採択された国連の「先住民族権利宣言」でも認められている。ただ、アイヌ民族を「先住民族」と初めて明記した昨年4月成立のアイヌ施策推進法では先住権について定めなかった。
     同協会によると、十勝川下流の浦幌町周辺には、複数のアイヌ民族の集落があり、明治時代まではサケ漁を行っていたという。しかし、近代の法整備によって禁止された経緯がある。このため、同協会は訴訟で「自由にサケ漁をすることができる先住権がある」などと訴える見通しだ。
     市川弁護士は提訴の時期について、アイヌ文化復興の拠点「ウポポイ」(民族共生象徴空間) が白老町にオープンする4月に合わせたと説明。差間会長は「先住民族として存在しているアイヌ民族の権利を求めたい」と話した。