Up 北海道先住民 作成: 2025-02-27
更新: 2025-03-08


    ホモ・サピエンスは,アフリカが発祥とされている (アフリカ単一起源説).。
    これに順えば,北海道には外からヒトが入って来た。

    外から北海道に入る経路は,この場合つぎの2つになる:
    1. 南進:樺太から北海道に入る
    2. 北進:本州から北海道に入る

    南進系と北進系は,言語の系統が異なると考えられる。
    その異なる言語は,最終的にアイヌ語1つになる。

    これは,アイヌ文化が,更新しつつ他の文化の同化を果たしていったということである。
    実際,北海道はアイヌの地になった。


    東北地方にアイヌ語地名が数多く残っている。。
    これら地名は,アイヌ文化圏を示す。

    東北アイヌの存在は,アイヌ文化が北進系の文化であることを示す。
    南進系ではあり得ないからである。
    なぜ?
    狩猟採集生活は,「小人数が広域を疎らに移動」である。
    少数であるから,既に棲んでいる者たちを警戒し,潜んで行動する。
    北海道から本州に入る狩猟採集生活者は,彼らの言語の地名を数多く残すような存在にはならない。

    そして,アイヌ文化が北進系の文化であることは,アイヌがエミシの系統であることを示す。


    アイヌ文化は,本州経済圏の延長の中にある。
    アイヌ文様刺繍に使う綿布・綿糸・針は,和人との交易で得る。
    諸々の鉄器も交易で得るのみ。
    アイヌ文化は,北海道原始文化の独自進化というものではない。


    北海道は,北進系のアイヌ文化が他の文化を同化することになった。
    そのアイヌ文化を生きた者,それがアイヌである。

    「アイヌ」という DNA は存在しない。
    「アイヌ」とは,「アイヌになる・アイヌをやめる」といったものである。

    しかしひとは,アイヌを「人種」のように思い,「アイヌ=北海道先住民」と思わされている。
    こう仕向けたものは,政治イデオロギーと商業主義である。
    「先住民」は,科学のことばにはならない。
    「先住民」のことばを意味ありげにするのは,政治イデオロギーと商業主義である。

    「アイヌ学者」は「アイヌ=北海道先住民」を唱えるが,これは「アイヌ=北海道先住民」は科学だということではない。
    単に,「アイヌ学者」は政治イデオロギー・商業主義の者だ,ということである。