Up | 鳥の言語能力 | 作成: 2018-05-10 更新: 2018-05-10 |
人間にあって他の生き物には無い,というものではない。 物事には,<突然の出現>というものは無いのである。 鳥は,鳴き声でコミュニケーションする。 実際,鳥の鳴き声は,《ある鳴き声によって,個体間のある関係行動が発現する》というふうになっている。 これは「コミュニケーション」である。 そして,コミュニケーション手段が「声」であるから,これは「言語コミュニケーション」ということになる。 声を出すことは,本能である。 言語は,この本能の活用である。 本能は,言語までめんどうをみるというものではない。 言語は,学習によって身につける。 鳥は,言語──鳴き声によるコミュニケーションの仕方──を,親や周りのおとなから学ぶ。 したがって,鳥の鳴き方には,地域性があることになる (「方言」)。 鳥の鳴き声は,「本能的発声か?学習的発声か?」とはならない。 周りで鳴く同類が既にいて,彼らからしぜんと学ぶことになる。 (さらに他の種の鳥の声,さらにその他の音を学ぶこともある。) そして,行動としての発声は,なんであれ,それ自体が発声の学習である (「フィードバック」)。 そして「本能的発声か?学習的発声か?」は,そもそもカテゴリーミステイクである。 本能は,生体の物理である。 行動は,本能の活用である。 学習は,行動の学習である。 動物行動学は,「擬人的解釈」に対する反動から,本能主義の傾向を強くした。 しかし本能主義は,単に《人以外の生き物の<学習>がわかっていない》ということである。
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