Up ハシボソガラスの「貯食」行動の意味 作成: 2018-08-20
更新: 2018-08-23


    ハシボソガラスは,「貯食」をするといわれる。
    この行動は,文字通りのものではない。
    即ちこの行動は,「貯食」というよりは, 「食べ物の場所を変える」である。
    実際,食べ物の場所を変えて隠し,どこかに飛んでいき,そしてしばらくして後やって来て食べるとき,「貯食」になるというわけである。

    食べ物の場所を変えるのは,他のカラス (その他,食べ物を横取りされそうな動物) にとられる恐れがあるからである。

    一箇所にバラバラ状態で有る食べ物に対し,カラスは,それぞれをその場から離す作業をする。
    小片のもの (すぐに食べるもの) は,近場に置く。
    大きめのもの (その後食べるもの) は,遠くに運ぶ。

     
    個体 01 の一例では:
    : 食べ物の場所 (カラスに見えやすいように草を刈り込んだ)
    : 小片のものを喉袋に貯めて移動,ほぼこの円内 (地面は細かい藁) に分散して置く
     B, C: ここまで移動し,草の中に押し込み,さらに草で覆う
    BからFに戻るときは,フェイントをかける。
    即ち,直線コースでは戻らず,そしてその間も,餌を探しているポーズをする。
     


    食べ物を移動して置いた/隠した場所は,ちゃんと覚えている。
    特に,人であれば少し目を離したらどこだったかわからなくなる草むらでも,隠した場所にきっちり到達する。


    食べ物は,なわばりの主のものである。
    他のカラスは,主が見ていれば,食べ物を取りに行こうとはしない。
    ただし,主がその食べ物を取らずにいなくなる機会をうかがっている。
    このような状況では,主は,食べ物にすぐには向かわない。
    居座りを以て,他のカラスを牽制する。
    彼らが諦めて飛び去ると,主は食べ物のところに行く。
    そして,周りを絶えずうかがいつつ,食べ物の移動をしたり食べたりする。