- 仏教理論の体系的構築
- 教相判釈と重ねる
- 『十住心論』,『秘蔵宝鑰』
- 存在論
- 真言密教
「真言は不思議なり。
観誦すれば無明を除く、
一字に千理を含み、
即身に法如を証す。」
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『般若心経秘鍵』
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観誦 : 本尊を観想しながら唱える
即身 : この身のまま
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- 「真言宗」(東密)
- 即身成仏 (↔ 三劫成仏)
- 根拠:二経一論八箇の証文,二頌八句
- 二頌八句
六大無礙にして常に瑜伽なり 体
四種曼荼は各々離れず 相
三密加持すれば速疾に顕わる 用
重重帝網なるを即身と名づく 無礙
法然に薩般若を具足して
心数心王刹塵に過ぎたり
各々五智無際智を具す
円鏡力の故に実覚智なり 成仏
Cf.「瑜伽」:「聖俗合一」の意
- 「即身成仏」方法論──三密行・三密加持
- 三密:身・口・意
- 行・加持
「 |
手に印契を作し、口に真言を誦し、心、三摩地に住すれば、三密相応して加持するが故に、速く大悉地を得。」
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「 |
故に「三密加持して速疾に顕わる」と曰う。
加持とは、如来の大悲と衆生の信心とを表わす。
仏日の影、衆生の心水に現ずるを加と曰い、行者の心水、よく仏日を感ずるを持と名づく。
行者、もし能くこの理趣を観念すれば、三密相応するが故に、現身に速疾に本有の三身を顕現し証得す。
故に速疾顕と名づく。
常の即時即日の如く、即身の義もまた是の如し。」
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- 加持・祈祷・儀礼
- 空海の著作
- 『三教指帰』
- 『十住心論』
- 『秘蔵宝鑰』
- 『般若心経秘鍵』
- 『即身成仏義』
- 参考Webサイト
- 参考文献
- 空海
- 『請来目録』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.528-570.
- 『即身成仏義』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.219-262.
- 加藤精一[編], 『「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」』, 角川ソフィア文庫, 2013.
- 『般若心経秘鍵』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.347-376.
- 加藤精一[編]『般若心経秘鍵』, 角川ソフィア文庫, 2011.
- 『三教指帰』
- 加藤純隆・加藤精一[訳]『三教指帰』, 角川ソフィア文庫, 2007.
- 『性霊集』
- 加藤精一[訳], 『性霊集』抄, 角川ソフィア文庫, 2015.
- 『三密加持』
- 『声字実相義』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.262-298.
- 加藤精一[編], 『「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」』, 角川ソフィア文庫, 2013.
- 『叶字義』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.299-346.
- 加藤精一[訳], 『「即身成仏義」「声字実相義」「吽字義」』, 角川ソフィア文庫, 2013.
- 『秘密曼荼羅教付法伝』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.377-484.
- 『真言付法伝』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.484-528.
- 『秘蔵宝鑰』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.3-146. (宮坂宥勝[訳注])
- 加藤純隆・加藤精一[訳]『秘蔵宝鑰』, 角川ソフィア文庫, 2010
- 『弁顕密二教論』
- 弘法大師空海全集編輯委員会[編]『弘法大師空海全集 第2巻』, 筑摩書房, 1983. pp.147-218.
- 加藤精一[訳]『弁顕密二教論』, 角川ソフィア文庫, 2014
- 立川武蔵『最澄と空海──日本仏教思想の誕生』, 講談社選書メチエ, 1998.
- 和多秀乘・高木訷元[編]『空海』(日本名僧論集 第3巻), 吉川弘文館, 1982
- 『空海──世界的思想としての密教』, 河出書房新社, 2006.
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