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中村元 (2011), p.30
仏教の経典は普通は「お経」とよばれていますが、それはもとは釈尊がだれかに説いたことがらを、弟子たちがずっと口伝で聞き伝えてきて、後の人がそれを最初は短い詩や決まり文句の形にしてまとめたものです。
やがて弟子たちがインド全般およびアジア諸国へ教えを弘めるにつれて、多数の聖典がつくられました。‥‥‥
お経というのは、自分がこう聞いたという教えだとか、あるいはだれかに説いたとか、いろいろなものがみんな入っているのです。
そしてそれをずっと聞き伝えてきて、後世の人がそれを最初のうちは短くまとめたのです。
「経」(スツ夕、スートラ Sutta, Sūtra) とは、たて糸という意味で、中国でいう経(けい) です。
後になると、そのようなものがたくさん集められます。
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- 引用文献
- 中村元 (2011) :『原始仏典』, 筑摩書房 (ちくま学芸文庫), 2011.
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