Up 山口県上関町の場合 作成: 2023-08-26
更新: 2023-08-26


      東京新聞 , 2023-08-18
    「原発マネー」で生まれた奇策
    使用済み核燃料の中間貯蔵施設を上関町に
    中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案
     ‥‥
    上関原発の建設は、福島事故後に中断し、本当に建設されるか見通せない状況が続く。地元経済界が期待した「原発マネー」の恩恵はなく、上関町の西哲夫町長は今年2月、中国電に新たな地域振興策の要求を突き付けた。今回の提案は、それへの答えとなる。町が調査に同意すれば、国から県と町に毎年計1億4000万円が交付される見通しだ。
     原発を再稼働させていない中国電は、使用済み核燃料の保管場所に困っているわけではない。新規制基準に適合した島根原発2号機(島根県)は事故対策工事中で稼働時期は未定。建設中の3号機は審査が始まったばかりだ。島根原発の使用済み核燃料プールは容量の3割ほどの空きがある。
     一方、関電にとって使用済み核燃料の保管先の確保は最優先の課題。運転開始から40年を超えた美浜3号機と高浜1、2号機(いずれも福井県)を稼働させる条件として、今年末までに福井県外に保管場所の候補地を確定させ、30年ごろに2000トン規模で操業させると、県に約束している。
     ‥‥
     国内で唯一建設済みの中間貯蔵施設は青森県むつ市にあり、東京電力と日本原子力発電が共同開発。関電はこの施設の利用を模索したが、地元の猛反発で頓挫した経緯がある。
     中間貯蔵施設の共同開発がうまく進めば、関電にとっては原発の「生命線」の確保につながる。
     ‥‥

      NHK News Web, 2023-08-18
    山口 上関町 使用済み核燃料 中間貯蔵施設建設 調査受け入れ
    中国電力が山口県上関町に提案した使用済み核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」の建設をめぐり18日臨時の町議会が開かれ、西哲夫町長は建設に向けた地質などの調査を受け入れる考えを表明しました。調査は関西電力と共同で実施され、実際に建設されれば全国で2か所目になります。
    中国電力は8月2日、原子力発電所で使い終わった核燃料を一時保管する「中間貯蔵施設」の建設に向けた調査を関西電力と共同で上関町にある中国電力の敷地内で行う意向を明らかにしました。
    これを受けて18日午前9時から上関町で臨時議会が開かれ、はじめに西町長が「町の人口は年間で100人減少し、高齢化率も中国5県で一番高い状態だ。このままでは住民支援策も近い将来できなくなる。持続可能なふるさと上関町を次世代につなげることが私の使命で、中間貯蔵施設の調査を私としては受け入れる考えだが議員の意見をうかがい、総合的に判断したい」と述べました。
     ‥‥


    上関町は,つぎのように,過疎化が進行している:
日本の人口推移「山口県上関町の人口推移」から引用:
\
\
2040年推計


      上関町『上関町過疎地域持続的発展計画』2021年12月, pp.14,15.
    農業は、‥‥農業者の高齢化、若手後継者の流出等により厳しい状況 ‥‥
    林業については、山林の維持・管理も難しい状況 ‥‥
    水産業は、‥‥、水産資源の減少、魚価の低迷、後継者不足による漁業従事者の高齢化等々、多くの課題を抱えており、漁獲高が伸び悩んでいます。‥‥、
    本町の歴史的な産業には、造船業・鉄工業、建設業、海運業等があります。
    造船業、鉄工業等については、需要は低迷しており、低成長時代のなか、地域経済も停滞し、かつ公共工事も減少して建設業の需要も少なく、厳しい時代環境にあります。‥‥
    海運業については、海運の衰退、船舶の大型化等の時代変化を背景にして、事業や人員の縮小をやむなくされており、将来が危ぶまれています。‥‥
    商業は、需要の低迷から衰退の状況にあります。情報化が進んで購買手段も多様化し、また、町内で買い物が完結しないことで、車で町外へ買い物に行く人が多くなっています。‥‥、町内では廃業等により商店の数が激減し、スーパー・コンビニエンスストアや新規業種の店舗も成立しにくい状況にあるため、高齢者が町内の商店で購入している程度です。人口減少および高齢化が進行している現状では、町内の購買力は更に低下していくものと考えられます ‥‥‥