Up 過疎化が原発/貯蔵施設の建設を可能に : 要旨 作成: 2023-08-26
更新: 2023-08-26


    「過疎化」は,「住民が減って困っている」という話ではなく,<住む>が成立しなくなるという話である。
    <住む>が成立しなくなるのは,<住む>を可能にするインフラが成立しなくなるからである。
    <住民が減る>と<生活インフラが成立しない>が相互フィードバックして,「過疎化」は一気に「無人化」へ進む。

    放射性廃棄物や使用済み核燃料の処分施設(「貯蔵施設」) は,設置が困難とされてきた。
    候補地を定めると,そこの住民に反対されるからである。

    時代は変わる。
    日本は今後,住民のいない土地だらけになる。
    また,無人化を待たなくても,過疎化が進行する地域では,「貯蔵施設」に反対する住民の声はもう大きくない。
    実際,いまの土地から自分がそのうち出て行くことがわかっていれば,反対する理屈が立たないわけである。

    そして反対する理屈が立たないのは,国民すべてのことになる。
    ひとは,電気が欲しい。
    「脱炭素」の意味が「原発推進」であることも,わかり始めている。
    ひとは,自分が既に原発推進者であるということに,気づかないではおれない。
    そして原発推進者であることには,「貯蔵施設」に賛成することが含まれるのである。
    ──「自分の住む所以外なら構わない」と。