Up 迷信 :「マスク・手洗い・雑巾拭き・液剤散布」 作成: 2020-04-09
更新: 2020-04-09


    (1)「マスク」
    呼気の中のウィルスは,マスクを通過する。
    吸気の中のウィルスは,マスクを通過する。

    マスクの効用を立てる「専門家」も,これは認めることになる。
    そこで,「飛沫を外に出さない」をマスクの効用として立てる。

    このときの「飛沫」は,つぎの含意が考えられている:
     「 インフルエンザウイルスは,咳やくしゃみによって飛沫と共に空気中に放出されます。 1回の咳で約5万個,1回のくしゃみで約10万個といわれています。 また,水分が蒸発した飛沫は24時間感染性を維持するといわれています。」
     (高麗寛紀『よくわかる微生物学の基本としくみ』, 秀和システム, 2013, p.187.)

    そこで彼らの「マスク」のロジックは,
      「ウィルスは,飛沫に閉じ込められている」
      「飛沫は,マスクの中に閉じ込められている」
    である。
    これは,想像である。
    誰も確かめてはいない。
    実際,自分が「専門家」だと想って考えてみよ。
    確かめる術など無いのである。
    「飛沫の中に閉じ込められるウィルスは,全体のうちの僅か」の方が正しいかも知れない。


    (2)「手洗い」
    「手洗い」のロジックは,「ウィルスは物から手,手から口・目・鼻へ移動」である。
    これは,想像である。
    やはり,誰も確かめてはいない。
    そして,確かめる術など無いのである。
    「物から手,手から口・目・鼻へ移動するウィルスは,全体のうちの僅か」の方が正しいかも知れない。


    (3)「雑巾拭き・液剤散布」
    「ウィルスは,この実験環境において,この液体にこれだけの時間浸すと,壊れる」が知られているとする。
    「専門家」とは,これを以てつぎのように唱える者である:
      「この液体を浸した雑巾で拭き掃除せよ
       この液体を戸外で散布せよ
       ──これはウィルス駆除の方法になる」

    しかし問題は,つぎのことである:
      この液体をウィルスに命中させ,そして液体の中にウィルスを必要な時間だけ留める方法は?
      見えないものにどう命中させる?
      そして,雑巾がけ・液体散布が「液体の中にウィルスを必要な時間だけ留める」の方法になるのか?
      しかも雑巾がけ・液体散布は,全範囲の極々一部を選んでやるだけのものだ。それに何ほどの効果が?

    ところで「この液体」とは?
    アルコールの類をいっている。
    インフルエンザやコロナウィルスは,エンベロープと呼ばれる脂質二重膜を外套にするタイプのウィルスである。
    「専門家」のロジックは,「アルコールは脂質を溶かすから,アルコールで拭けばウィルスは壊れる」である。
    彼らは,ウィルスを(ほこり)かなんぞのように思っているわけである。
    スケール感覚がどうにもおかしいのである。


    「マスク・手洗い・雑巾拭き・液剤散布」
    「何もしないより,信じて何かをする方がよい」とはならない。
    それは,迷信を拡散する行為である。