Up 高齢者 vs 若者 作成: 2020-04-02
更新: 2020-04-02


      読売新聞, 2020-04-02
    「自覚ある行動」求める
     各大学でも注意喚起や対策を進めており、東京都立大学は、4月5日に予定されていた入学式を中止にし、5月6日までキャンパス内の全施設を原則、利用禁止とした。 前期の授業開始は同11日に延期。学生にはサークル活動や新入生の歓迎行事なども行わないよう、ホームページ(HP)な どで求めている。 同大は「無症状の感染者が潜在的な感染源となる可能性が指摘されていることを十分に理解し、適切な行動を取ってほしい」と呼びかけている。
     早稲田大も3月27日、同大のHPに「学生諸君に自覚ある行動を求む」とする田中愛治総長のメッセージを掲載した。
     感染症に詳しい聖マリアンナ医科大の国島広之教授は「若者には、自分の症状は軽くても、高齢者や持病のある人を重症化させるリスクがあることを自覚してほしい。責任感と想像力を持ち、クラスター(感染集団)が生じやすい場所には近づかない、発熱がある場合は外出しないなどの行動を取ってほしい」と話す。


    若者に対し「自覚せよ」のことばを使う者は,順序として先ず高齢者に「自覚せよ」を言うのが筋だということに,気づかない。

    高齢者への「自覚せよ」は,つぎのようになる:
     「 感染は,0か1ではない。既に大多数が感染していることになる。
    高齢者は抵抗力が弱いから,努めて人に近づかぬこと。
    特に若者に対しては,彼らのじゃまにならぬよう努めるべし。 ──若者は経済を支えていかねばならぬ者であり,外に出ていかなくてはならぬ者たちである。
    以上,高齢者諸氏には自覚ある行動を求む。
    しかしもちろん,彼らはこれを言うものではない。
    自分に返ってくるからである。


    「自覚せよ」は,相手を自分より下に置く言い方である。
    若者に対する見くびりは,思い上がりによるものである。
    この思い上がりは,《自分は正義と大多数をバックにしている》の()()()()から来る。
    また,若者を頭の弱い者と定めてかかるのは,職業柄といったものである。

    相手を自分と対等に置くときの言い方は,つぎのどちらかになる:
    1. 無理をお願いする
    2. 処罰をちらつかせて,脅す
    ここで b は,いまの場合だと,
     「 わたしの言うとおりにしないと,緊急事態宣言を引き出してしまうことになるぞ──そのときは処罰されるぞ
    である。

    政府はこの二つを按配して用いるものである。
    そして,このあたりはさすがにプロであり,上手である。
    「自覚せよ」を言うアマチュアとの雲泥の差を見せつける。