Up 二重権力 作成: 2020-06-19
更新: 2020-06-19


      読売新聞, 2020-04-11
    都,政府押し切る
    コロナ休業要請
    国,協力金も当初難色
     新型コロナウイルスの感染拡大を受けた休業要請の対象業種を巡る調整は、東京都の小池百合子知事が政府を押し切る形で決着した。 緊急事態宣言の下での政府と地方自治体の連携は出だしから、困難さが浮き彫りになった。
     「権限は社長かなと思っていたら天の声が色々聞こえ、中間管理職になったような感じだ」
     小池氏は10日の記者会見で、政府を痛烈に皮肉った。 小池氏の言う「天の声」とは政府のことだ。 7日の緊急事態宣言発令に前後して、都に様々な注文を付けたことを指す。
     ‥‥


    「首相が日本の CEO であるのに対し,東京都知事は日本の社長」──こうでなきゃおもしろくない。
    この場合,「社長扱いしないのであれば,社長扱いするしかないようにしてやる,見返してやる」となる。

    《東京都知事は, 「日本の社長」権限》──この体制は二重権力体制である。
    即ち,<官房長官=霞ヶ関>と<東京都知事=都庁>の二重権力体制。


    「小さい政府」論というのがある。
    むかしネットワーク川柳に「集中と分散を繰り返し」というのがあったが,世に現れる組織論はみなこんなふうになる。
    組織がうまくいくことなどないので,世代忘却をはさんで,「小さかったからダメなのだ,大きくせよ」「大きかったからダメなのだ,小きくせよ」を永遠に繰り返すのである。
    そして国の場合が,「大きい政府・小さい政府」。

    「小さい政府」論は,地方自治体が思うほど賢くない──むしろだらしない──ので,頓挫する。
    「大きい政府」論は,利権をのさばらせることになるので,これまたよろしくない。
    結局何事も中庸ということになるのだが,中庸は組織のダイナミクスによって自ずとなるものであって,人智の及ぶところではない。
    人間なんぞは「集中と分散を繰り返し」の愚をやるばかりである。


    で,東京都知事だが,この哲学が無い。
    「見返してやる」のルサンチマンタイプなので,どうにも危ういのである。