Up 「専門家・行政人災」を設定 作成: 2023-10-29
更新: 2023-11-21


    ひとは,組織に属している。
    そしてその組織に縛られている。
    その力学は「同調圧力」である。

    専門家・行政は,同調圧力に屈していながら,屈していることに無自覚である。
    組織に身を置くと,同調圧力に慣れ,同調圧力が自分の自然な空気になっていくのである。
    そのような彼らの言動は,組織の空気を読んだものである。
    それは,ひととミスリードするものになる。


    専門家は,組織が困ることを言わない。
    行政が困ることを言えない。
    特に「津波」に関してはそうである。

    津波は対策のしようがない。
    しかし行政は,対策している形をつくることが仕事である。
    津波についてあからさまに言うことは,行政をただ困らせることである。
    これは控えねばならない。
    逆に,行政が困らない「津波」像をつくってやらねばならない。


    ひとのいちばんの大事は,己の保守である。
    これは,行政の員の場合も変わらない。
    行政は,ひとが行う。
    首都直下地震の後始末は,行政の員のエゴが「人災」として現れる局面である。
    彼らは,自分の職を保つために,「復興」を既定路線にする。

    政治は,ポピュリズムが体質になっている。
    「一票の格差是正」を正義にして肥大化した東京選挙区国会議員も,「復興」既定路線化の列に加わり,国政を「復興」に誘導する。

    こうして,いま最も必要なことではなく,不急のことに最大のコストがかけられるようになる。
    巨大化した体は,一度倒れたらもう()ち上がれない。
    しかし,行政は「もとに戻す」を施策にする。
    国民は,この無駄に,末長く付き合わされることになる。