Up NHKニュースは,全体主義が定め 作成: 2020-04-14
更新: 2020-04-14


    機能上どうしても全体主義になってしまうものがある。
    NHKニュースは,この類である。


    TVニュースは,小さな報道メディアである。
    世の中には無数の話題があり無数の人物があるが,TVニュースは数個・数人を報道する。
    発信者は,この数個・数人の選択を合理化せねばならない立場になる。
    彼らは,「正義の実現」を理とするようになる。
    自分たちは,正義実現のためにこの数個・数人の話題を厳選したのだ」となるわけである。

    この傾向は,NHKニュースにおいて最も強くなる。
    「国営メディア」としての責任を己に課す構えになるからである。
    「国民を正義に導く」を自任するふうになる。


    正義は,全体主義である。
    不正義は,無くさねばならないものだからである。
    「正義の実現」は,「不正義の摘発・弾劾」になるのである。


    「新型コロナ」パニックは,「自粛」を正義とすることになった。
    「自粛」しない者は,不正義である。
    「自粛」しない者は,摘発し弾劾せねばならない。

    これまで NHKニュースは,それとなく不正義の摘発・弾劾をやってきた。
    これをあからさまにやり出すのは時間の問題であった。
    そして,昨日の19時のニュースにこれの一端が出て来た。
    <「自粛」しない者>に対し「腹立たしい」を言う<「自粛」しない者による犠牲者>を登場させた。
    不正義を憎む<不正義による犠牲者>を登場させたわけである。

    正義実現の志の心は,不正義を憎む心である。
    NHKニュースは,「腹立たしい」をより強い調子の「憎む」に段々と──あるいは一気に──高めていくことになる。


    国営メディアニュースと全体主義の関係は,いつの時もこのようである。
    NHKニュースに全体主義をやるなと言うのは,見当違いである。
    NHKニュースは全体主義をやるものだからである。
    全体主義は NHKニュースの定めである。

    ひとにとっての肝心は,NHKニュースをこのようなものとして理解することである。
    そして,NHKニュースの全体主義との間合いを上手にとっていくことである。