Up ただの風邪」発言 作成: 2020-05-21
更新: 2020-05-22


      毎日新聞, 2020-05-17
    ブラジル、感染者数23万3142人で世界4位に
    大統領はなおも経済優先
     ブラジル保健省は16日、国内の新型コロナウイルス感染者が23万3142人、死者が1万5633人になったと発表した。いずれも中南米最多で、感染者数はスペインを上回り、世界4位となった。死者数は世界6位。
     新型コロナ感染症を「ただの風邪」と呼ぶ右翼ボルソナロ大統領は、感染対策より経済を優先。トランプ米大統領が治療に勧めているが評価が定まっていない抗マラリア薬の使用にも固執し、今月15日には自分の意に沿わない保健相をわずか1カ月間に2人目となる辞任に追い込んでいる。
     感染者数は2日連続で、前日から約1万5千人増えた。(共同)


    「ただの風邪」は,ヒトコロナウィルスによる。
    「新型コロナ」は,「ただの風邪」のコロナウィルスの新型である。

    つぎに,「感染者が23万3142人、死者が1万5633人」は,「ただの風邪」レベルをはるかに超えるものなのか?

    ブラジルの総人口は,2019年に 2億1015万。
    よって「死者が1万5633人」は,「10万人のうち 7.4人が新型コロナで死亡」となる。
    年間で,少し多めに見積もって,せいぜい「10万人のうち 20人が新型コロナで死亡」──これを「新型コロナの死亡率は 20」と謂う──くらい。

    これを,日本での死因別死亡率のうち,例えばつぎの数値と比較してみる:
        インフルエンザ死亡率 2.7
        肺炎死亡率77.7
        ガン死亡率310.0
        自殺死亡率16.4
        交通事故死亡率4.0
      (厚労省「平成30年(2018) 人口動態統計月報年計(概数) の概況」)

    インフルエンザウィルスはコロナウィルスではないが,「ただの風邪」の代わりにインフルエンザを「新型コロナ」と比べてみよう。
    「インフルエンザの死亡率 2.7」──年間,10万人のうち 2.7人がインフルエンザで死亡──は,
      「年間,総人口 1億2千3百万のうち 3323人がインフルエンザで死亡」
    を割合計算したものである。
    2018年のインフルエンザの年間死亡数は,3323人なのである。
    そして罹患者数は推計値で約1千万人となっている (厚生省「季節性インフルエンザり患者数の推計方法等の変更について」, 2018)。

    これに対し新型コロナは,5月20日時点で
      「感染者 16,385人,死亡数 771人」
    (厚生省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年5月20日版)」)

    これらの数値を鑑み,そして
      「新型ウイルスによる感染症は、多くの人が無症状や軽症
        ──死に至るのは,高齢者か持病持ち」
    の現実を鑑みて,
    1.  自粛して,生活を破壊
    2. 「ただの風邪」扱いして,生活を維持
    のどちらが理にかなっているかを考えるのである。
    理は,後者にある。

    かくして,国の指導者であれば,「新型コロナ」を「ただの風邪」と言うのが正しいのである。 ──右翼も左翼もへったくれもなし。


    「パンデミック」プロパガンダ/デマゴギーの側についてきている者たちは,いまは賢げに「ただの風邪」発言をトンデモ扱いしている。
    しかしだんだんと騙しがばれ,形勢が不利になる。
    そして, 「自分は実は,ただの風邪扱いするのが正しいと思っていたのだ」と言い出すのである。

    これまで何回も引いてきているが,また繰り返す:
        災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候。
        死ぬる時節には死ぬがよく候。
        是はこれ災難をのがるる妙法にて候。
                    良寛