Up 2次補正予算──合計121.1兆円の金造り 作成: 2020-05-28
更新: 2020-05-28


    2次補正予算(案) が決定された。
    後は国会を通過して,成立である。

    今回の財政支出 (「国費+財政投融資」) は,72.7兆円。
    1次補正の財政支出 48.4兆円と合わせると,121.1兆円。
    この121.1兆円の金はどこから出てくるかというと, 「国債」を名義にして,造るのである。

    「金を造る」と言っても,紙幣を印刷したり貨幣を鋳造したりするわけではない。
    口座から口座へ数字を渡していくだけのことである。
    簡単なものである。


    財政はもうずっと前から(たが)が外れっ放しであり,いまさらどうということはない。
    しかしあまり調子に乗っていると,「納税」とか「消費税」とか「年金基金」とかの嘘がバレることになる。
    鈍感な国民もさすがに気づいて,「金を造れば済むことじゃないの?」となってしまう。

      消費税率引き上げであれだけ騒いで,消費税収入はいくら増えたか。
      2兆円である。


      読売新聞, 2020-05-28
    2次補正 32兆円決定
    政府 家賃・資金繰り支援
     政府は27日の持ち回り閣議で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する2020年度第2次補正予算案を決定した。 追加対策の事業規模は117・1兆円で、経済対策として最大の4月の緊急経済対策に並ぶ。 感染対策の長期化に備え、雇用維持や事業継続に向けて企業の負担軽減や金融支援の強化に重点を置いた。
    事業規模 117兆円に
     1次補正と2次補正の事業規模の合計は233.9兆円で、国内総生産(GDP) の約4割に相当する。 2次補正の歳出総額は31兆9114億円で、1次補正(25兆6914億円) を上回った。 国費に財政投融資を加えた財政支出は72.7兆円で、1次補正の48.4兆円よりも約5割大きい。
     2次補正では、休業で収入が減った事業者に対する「家賃支援給付金」を新設し、2兆242億円を盛り込んだ。 1か月の売上高が1年前の半分以下になったなどを条件に、中堅・中小企業や個人事業主に1か月あたり最大100万円を6か月分支給する。
     企業の資金繰り支援には11兆6390億円を使う。 中小・小規模事業者向けの実質無利子・無担保の融資枠の拡大や、融資でも返済順位が低いために資本に近い扱いを受ける「劣後ローン」による財務基盤の強化などで、金融支援の事業規模は94兆円拡大し、計139兆円規模になる。
     企業が従業員に支払う休業手当を補助する「雇用調整助成金」の1日あたりの上限も8330円から1万5000円に引き上げる。 複雑な手続きや自己負担を理由に申請しない企業が出ているため、従業員が直接申請できる制度を創設し、賃金の約8割を支給する。
     地方自治体向けには、医療提供体制を整備する「緊急包括支援交付金」に1次補正の15倍となる2兆2370億円を計上した。 使い道を自治体が決められる「地方創生臨時交付金」は、2倍の2兆円に増やした。
     今後の再流行や不測の事態に備え、政府の裁量で支出できる「感染症対策予備費」を10兆円増やす。 ワクチンや治療薬の開発などに2055億円、医療機関への医療用マスクの配布などに4379億円を計上した。
     2次補正は1次補正に続き新規国債の発行ですべての財源をまかなう。 当初予算と1次補正の双方と合計した発行額は90兆1589億円になる。 これまで1年間の新規国債発行額で最大だった09年度 (51兆9550億円) よりも約7割多い。
     政府・与党は6月上旬にも予算案を国会提出し、17日の会期内の成立を目指す。

    この中に「事業規模 ○兆円」のことばがあるが,無視してよい。
    政府の宣伝文句──「財政支出は呼び水に過ぎず,実際にはこれだけの含みがある」──である。


    予算項目も,政権の都合が優先する。
    「10兆円」の高額もこの程度のものかと,いまさらながら教えられる:
      同上
    国民の不満緩和に腐心
    予備費10兆円
     政府は巨額の第2次補正予算で、新型コロナウイルスによる景気低迷に苦しむ国民の不満を和らげようとしている。
    安倍首相は27日の政府・与党政策懇談会であいさつし、「負担を大胆に軽減」「圧倒的な量の資金を投入」といった言葉を随所にちりばめ、超大型補正予算案をアピールした。
     政府のコロナ対策が国民に評価されていないとして、与党内からは思い切った予算額を求める声が相次いでいた。 ここに来て、検事長の定年延長をめぐる問題などで安倍内閣への風当たりは強まっており、政府側にも歳出を抑えようとする力は働きにくかった。
     政府は今回の補正予算案に、10兆円もの予備費を計上した。 今年度当初予算の予備費 (5000億円) と比べると、異例の規模と言える。
     政府・与党は野党の追及を避けるため、今国会の会期を延長せず、6月17日の会期末で閉じる構えだ。 あらかじめ使い道を決めない予備費は、内閣の責任で支出に充てることができる。 閉会後に新たな経済対策を打つことになっても、安心というわけだ。

     ‥‥‥


    野党にしても,こんなふうの相手のされ方に文句は言えない。
    野党は,ポピュリズムでやっていくしかない。
    そしてアタマを劣化させる一方となる。
    政府の財政出動に都合よく利用される役回りを務めていることを,自覚できない:

      同上
    2次予算
    野党 審議に協力へ
    主張反映を評価
     野党は、2020年度第2次補正予算案の審議に協力する方向だ。 野党の主張がそれなりに反映されたとみているためだ。
     立憲民主党の安住淳国会対策委員長は27日の共同会派の会合で、2次補正での雇用調整助成金の拡充などに触れ、「共同会派の強い要求で実現した。政府が気付かないことに光を当てることができた」と自賛した。 立民は自民党と政策協議を重ねてきたこともあり、「採決では反対できない」(幹部)との立場だ。
     共産党の穀田恵二国対委員長も27日の記者会見で、「野党が提案した問題が一定程度反映されている」と評価した。 社民党の福島党首は「あまりに遅い」と不満を漏らしながらも、学生支援などが盛り込まれたことを歓迎した。
     国民民主党の玉木代表は「一番やらなければいけないのは失われた補償だ。そこを補う予算が入っていない」と述べ、さらなる対策を求めた。 国民は27日、①国民1人当たり10万円の再給付 ②1年限定で消費税率5%への引き下げ──を柱とする総額100兆円規模の 追加経済対策を発表した。