Up 「血税」だってさ ^^; 作成: 2020-06-06
更新: 2020-06-06


    つぎは,読売新聞 2020-06-05 に載った,週間文春の広告の切り抜き:

    自粛警察に邁進の週刊誌なので病理オンチはわかるが,財政にもひどいオンチというわけだ。

    今日「血税」がどんなことばになるかを見るために,少々数値を引いてみる:
    • 税収と歳出 (2018年度)
        税収は,57.7 兆円
        このうち
          所得税 19.9 兆円
          消費税 17.7 兆円
          法人税 12.3 兆円
          ──以上の計:49.9 兆円
        これに対し 2018度の歳出は,97.5 兆円。

    • 国債及び借入金現在高 (2019年12月末)
        内国債   987兆円
        借入金 52兆円
        政府短期証券 71兆円
        合計 1110兆円

    • 消費税率引き上げであれだけ騒いで,消費税収入はいくら増えたか:
        2兆円

    • 「自粛」対応の財政出動
        1次補正の財政支出 48.4兆円
        2次補正の財政支出72.7兆円
        合わせて121.1兆円

    日本の財政は,もうずいぶん前から「税金で賄う」でないのである。
    「血税」は,とっくに死語である。


    週刊誌ならさもありなんでよいが,何を考えているものやらわからないのが国会の野党である。

    上に挙げた数値の類はしょっちゅう見ているはずなので,いまさら「税金」がどうのとは言わないと思われるし,実際,財政出動に対しては破格の要求を出してきている。
    野党からの要求を全部受けていたら「121.1兆円」どころの話ではない。
    「恐慌を免れるために,世の中を金でジャブジャブにしておく」においては野党も同じ立場,と考えることになるのである。

    さて,この「ジャブジャブにする」は,面倒な手続きを踏んでいたら進まない。
    面倒な手続きは,人手もシステムも大変になるのである。
    即ち,めちゃくちゃは,めちゃくちゃなやり方で実現することになる。
    よって,めちゃくちゃなやり方には,目をつぶることになる。

    ところが,つぎのような話になってくる。
    で,先の「何を考えているものやらわからないのが国会の野党」のことばとなるわけである。
      読売新聞, 2020-06-06
    観光喚起の公募 中止
    経産省 「委託費高額』批判受け
     経済産業省は5日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要喚起策として行う「Go To キャンペーン」で、事務局の委託先を選ぶ公募手続きをいったん中止すると発表した。 野党などが上限3095億円に上る事務委託費を「巨額すぎる」と批判していた。 7月下旬を予定する事業開始が遅れる可能性もある。
     同キャンペーンは、国内旅行代金の半額相当 (1泊あたり最大2万円) を補助したり、飲食店の割引券を発行したりして、外出自粛などで落ち込んだ需要の掘り起こしを狙う。 緊急経済対策を盛り込んだ第1次補正予算に関連費用約1.7兆円を計上し、5月初日からキャンペーン事務局の委託先を選ぶ公募を始めたが、今月8日の締め切りを前に応募は1件にとどまっていた。 これまで政府は、上限3095億円の事務委託費に関し、「根拠のある金額」との見解を示していた。
     新たな公募手続きでは、観光や飲食、商店街といった分野に応じて、国土交通省や農林水産省など所管する省庁がキャンペーンの運営事業者をそれぞれ選ぶ方針だ。 選定スケジュールは今後検討するが、7月下旬を予定していた事業開始が遅れる可能性もある。
     一方、「持続化給付金」を巡り、委託先の一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が、2016年の設立以来、毎年の決算を官報に公告していなかったことがわかった。 公告は法律で義務づけられているが、経産省は見逃していた。 同協議会は8日にも4年分の決算を公告する方針。


    誤解の無いよう言っておくが,本論考の立場は「自粛ははじめから間違い」である。
    よって,自粛の尻拭いのすったもんだの政治に対しては,誰が合っていて誰が外れているという話にはならない。
    このページは,記録としてこの「すったもんだ」もファイルしておこうというものである。