Up 「接触確認アプリ」 作成: 2020-06-21
更新: 2020-06-21


    本日の 19時の NHKニュースは,「接触確認アプリ」をキャンペーンすることがトップ項目である。
    このアプリをダウンロードする者の数が少ないので,
      「東京都35人感染──1日の感染の確認が30人以上となるのは4日連続」
      「新型コロナ重篤化と第2波」
    の項目を合わせて,恐怖を煽ったところである。

    「35人」といっても,ここずっと「夜の街」で掘り起こした数が主である。
    こんなのは,言えば言うほど「感染者数」のナンセンスがひとに伝わってしまうだけである。
    「重篤化」の方も,「感染すれば重篤化だぞ」のトーンには,さすがにひとも<はったり>を感じてきている。 言えば言うほど,飽き飽き・うんざりさせるだけである。


    で,本題の「接触確認アプリ」の方だが,つぎの内容を報じた:
      NHK News Web, 2020-06-21
    接触確認アプリ
    技術者らが安全性など検証「大きな問題なし」
    新型コロナウイルス対策で、19日から利用が始まった接触確認アプリについて、情報セキュリティーの技術者らが利用者のプライバシーが守られているかなどを検証するイベントが20日、開かれました。
    これは情報セキュリティーの技術者らで作る「日本ハッカー協会」がオンラインで開いたもので、およそ290人が参加しました。
    19日から利用が始まった接触確認アプリは、新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触の疑いがある場合に通知を受けられるもので、プライバシーを守るため、個人情報などは一切、集めない仕組みになっています。
    イベントでは、参加者たちがアプリの動きや、どういった通信を行っているかなどについて各自で検証を行い、内容を報告しました。その結果、プライバシーを守る仕組みや安全性などに大きな問題は見つからなかったということです。
     ‥‥

    わざととぼけているのか,ほんとうにあたまがおかしいのか,はてどっちだろう?

    ダウンロード数が思わしくないのは,「個人情報がとられるかも」を心配してではない。
    心配は,「通知が来てしまったときは,めんどうなことになる」である。


    「接触確認アプリ」は,インストールされているスマートフォンどうしが15分間以上,1メートルの距離にあると,互いの情報を記録する。
    アプリ発案者は,<15分間以上,1メートルの距離>で「居酒屋の隣の席の他人」をイメージしたのかも知れぬが,現実の生活では<15分間以上,1メートルの距離>は「特定の相手」を意味することになる。
    そこで,接触通知が来たら「感染者はあの人か?それともあの人か?」と勘ぐることになる。
    この関係は,お互い様である。
    自分が勘ぐる相手たちは,自分を勘ぐってくる者たちである。

    この疑心暗鬼は,解消できない。
    匿名性が,アプリのルールだからである。

    しかもひとは,通知がきたからといって検査されに行くものではない。
    感染となったらひどく面倒な事態になることを,予想してしまうからだ。
    自覚症状がないのに検査されに行く者は,予想される面倒な事態というものが無い者である。

    このダイナミクスが,疑心暗鬼をさらに複雑にする。
    「あの人は感染を隠しているのではないか?」と勘ぐることになり,自分も他の者からこのように勘ぐられているのではないか,となる

    こうして,接触を通知された者はずっとわだかまることになる。
    <いじめ>の文化のところでは,このわだかまりからいじめが起こる。


    「接触確認アプリ」を押しつけてくる者たちは,ひとを<ウィルス媒体>としてのみ見ている者たちである。
    政治的立場からこの押しつけをしてくる者たちであれば,ひとが新型コロナに怯えている状態をよしとする者たちである。
    彼らは,自分の都合ためには人心が腐るもよしとする者たちである。

    ひとはいまのところ,「接触確認アプリ」にそっぽを向いているふうである。
    このアプリの厭らしさを,きちんとロジックで押さえてはいなくても,漠然と感じてしまうためである。
    実際,「接触確認アプリ」は,これに加担しないのが正しいのである。