Up 日本国内の陽性反応者は,少なくとも常時100万人以上 作成: 2021-07-29
更新: 2021-07-30


      読売新聞, 2021-07-29
    全国感染 最多9582人
    緊急事態 首都圏3県追加も
     新型コロナウイルスの感染者は28日、国内で新たに9582人確認された。 1日当たりの感染者数は、今年1月8日の7958人を上回り、過去最多となった。 東京都の新規感染者は3177人。2日続けて最多を更新し、初めて3000人を超えた。 埼玉、千葉、神奈川の3県でも過去最多となり、政府は東京都と沖縄県に発令中の緊急事態宣言の対象を3県に拡大する方向で検討に入った。
     東京都の新規感染者は、前日より329人、1週間前からは1345人増えた。 感染者の67.5%が30歳代以下の若年層だった。 直近1週間の平均新規感染者数も過去最多の1954.7人となり、前週(1277.6人)から53%の増。 重症者は前日から2人減の80人、死者は6人だっ た。
     神奈川県では1051人の感染が判明した。 神奈川で1000人を上回るのは初めて。 埼玉県では870人、千葉県では577人の感染が確認された。 首都圏4都県の感染者は計5675人で全国の6割近くを占めた。
     厚生労働省の助言機関は28日の会合で、「これまでに経験したことがない急速な感染拡大となっている。首都闘では当面、拡大の継続が見込まれる」と危機感を示した。 東京については「本来なら入院すべきなのに自宅待機を余儀なくされる患者も増加し、既に一般医療への影響が生じている」と指摘した。 埼玉、千葉、神奈川でも20〜30歳代を中心に感染が拡大。 新規感染者数は全国平均でも前週の1.5倍となった。
     感染力が強いインド型(デルタ型)の変異ウイルスへの置き換わりも進んでおり、国立感染症研究所は、東京では既に77%を占めていると推計している。‥‥


    新型コロナウイルス感染が最初に伝えられてから既に1年半以上経つ。
    新型コロナウイルス感染は空気感染である。
    この空気感染からこれまでずっと免れてきている者などいない。
    (空気感染にマスク・アクリル板・手洗いなんぞ無力である。)
    普通に生活している者なら,すべて感染を経過していることになる。
    いま時はじめて感染する者などいない。

    「感染する」と「陽性反応を現す」は,別のことである。
    陽性反応は,体内のウイルスの活性化と対応している。
    体内に潜在するウイルスは,体の条件によって活性化したり鎮まったりする。
    これは,体の条件によって陽性反応が現れたり現れなかったりするということである。


    では,いま陽性検査をしたら,何人が陽性反応を現すか?
    即ち,日本国内に常時潜在する陽性者の数はどれくらいか?


    これを求めるには,サンプリング調査をして全数調査に代える。
    n人を検査してm人が陽性反応を現したら,
        (日本の人口) × m/n
    が,日本国内に潜在する陽性反応者の数ということになる。

    ところでこのサンプリング調査は,実は毎日行われている。
    陽性検査が日本の各所で毎日行われそしてその結果が報じられているが,それはここで謂うサンプリング調査に他ならない。


    日本国内の陽性検査数と陽性反応者数は,ここ最近ではつぎのようになっている:
NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」から数値を引用
 検査数  陽性反応者数
 7/20  65781 3755
21  80411 4942
22  41595 5395
23  32749 4225
24  76905 3574
25  27402 5018
26  58380 4691
27  7629
28  9576

    検査日と検査結果集計日は,ずれがある。
    このずれは,だいたい3日以内である。
    そこで,陽性率を
      7/20〜26 の検査数 = 383223
      7/22〜28 の陽性反応者数 = 40108
      陽性率 = 40108 ÷ 383223 = 0.105
    で計算することにして,つぎを得る:
      「検査数 383223 に対し 陽性反応者数 40108 ──陽性率 10.5%」


    日本の人口は,約1億2300万。
    この数字に機械的に陽性率 10.5% を乗ずれば,「1290万人が,陽性検査で陽性になる者として潜在」となる。
    ただし,サンプルが「無作為抽出」とは言えないので,陽性率を1%くらいにして,「少なくとも」という表現にするのが穏当である:
      「少なくとも 100万人の陽性者が常時いる」

    これは何を意味しているか?
    新型コロナが「ただの風邪」だということを意味している。


    しかし,「厚生労働省の助言機関」から出てくることばは,「これまでに経験したことがない急速な感染拡大となっている」。
    実際,引っ込みがつかない彼らは,「感染拡大」を言い続けるしかない。

    では,「感染拡大」と見えているものは,何なのか。
    基本は,陽性検査数の増加である。
    そしてこの度の「感染拡大」では,被検査者の平均年齢の低下が効いている。
    以下,このことを説明する。


    つぎは「新規感染者」の年齢構成のグラフであるが,被検査者の年齢構成のグラフもこれとほぼ同じパターンになると見込まれる:
NHK ニュース7, 2021-07-28,「60歳未満が約95%」より
東京都の28日の「新たに3177人が感染」の年齢群構成

    日本国内の年齢群別人口は,つぎのようになっている:
厚労省『令和元年(2019) 人口動態統計月報年計(概数) の概況』 より
「人口 123,731,176 (1億2373万人)」の年齢群別人口

    上の2つの円グラフの比較から,被検査者の年齢構成が若・中年者に偏っていることがわかる。

    マスコミの謂う「新規感染者数」は,被検査者の年齢構成が若・中年者に偏ると増える。
    なぜか?
    新型コロナが「ただの風邪」だからである:
      若・中年者は,年齢相応の生理と生活環境により,よく風邪症状に陥る──しかし軽症で済む。
      高齢者は,年齢相応の生理と生活環境により,あまり風邪症状に陥らない──しかし症状に陥ったときは,重症化・死亡に及ぶことがある。