Up 読売新聞の「虚実」 作成: 2021-09-11
更新: 2021-09-11


    「新型コロナ」は,人間が延々と繰り返す「馬鹿な戦争」の類である。
    歴史で勉強しても,自分のことには適用できない。
    群集心理になって,またひとつ「馬鹿な戦争」を歴史に加える。
    「馬鹿な戦争」は,延々と繰り返されるのが定めである。


    「馬鹿な戦争」は,マスコミがこれを煽動する。
    マスコミは,群集心理を形成することを仕事にしている。
    「馬鹿な戦争」では,「戦争」の群集心理の形成がこれになるわけである。

    このマスコミは,特につぎのことをする:
      《戦争に従わない<愚劣分子・不良分子>を(さら)し,
       ひとがこれを軽蔑・嫌悪するように仕向け,
       権力がこれを取り締まるように仕向ける》


    ここに,読売新聞が「虚実のはざま」シリーズをやっている。
    これは,<愚劣分子>を晒す類である:

      読売新聞, 2020-09-09
    「コロナは茶番」700人デモ、「普通の人」が先鋭化…
     ‥‥
    3歳の長男を連れ、東京のデモに参加した女性(31)が語った。
     昨年は感染におびえ、「ママ友」と公園に行くのも自粛していた。考えが変わるきっかけは、友人に招待されたフェイスブック (FB) グループだった。
    <PCR検査は偽装。本当はただの風邪><ワクチンを打たせるのが目的>
     飛び交う投稿を見て、最初は半信半疑だった。しかし自宅にこもる生活の中、FBは人とつながる数少ない場だった。「私も認められたい」と思い、真偽不明の情報をネットで見つけて投稿すると、称賛された。いつの間にか、やり取りにのめり込んでいた。
     女性は今も、根拠のない説を固く信じる。
     「ワクチンは人を操るために作られた」
     ‥‥

      読売新聞, 2020-09-10
    「コロナは富裕層の仕業」投稿に引き寄せられた居酒屋店主…
     ‥‥
    賃料の負担は重く、蓄えはどんどん減っていく。周辺の飲食店は相次いで廃業していった。「この店は僕らの生きがい。失うなら生きている意味がない」とまで思い詰めた時だった。妻が偶然、SNSで見つけた投稿に引き寄せられた。
     <実はコロナは世界の富裕層の仕業><小さな自営業者を潰し、資産を吸い上げるのが真の目的だ>
     客がいない店内で妻と2人、スマホを手にひたすら情報を集めた。同じような説を唱える投稿ばかりが芋づる式に目に入ってきた。「今までだまされていたのか」と憤りが募った。
     店のツイッターで「うちはマスク不要」と発信を始めると、遠方からの客が増え、売り上げは持ち直した。店主の行動は感染を広げかねない危険なもので、一部の常連客は離れた。だが店主は意に介さない。
     「コロナ騒動は仕組まれたものだ。国や役所に従ったら犠牲になってしまう」
     ‥‥


    マスコミは,己を正論とし,異論を退けようとする。
    このとき,異論を退けようとしてマスコミがとる方法は,ひとをつぎのように思わせることである:
      マスコミ(正論) でなければ,それはフェイク(愚論)


    一般に,「戦争」に対する異論は,「戦争陰謀論」と「馬鹿な戦争論」の2タイプになる。
    「戦争陰謀論」は,人間システム論である。
    「馬鹿な戦争論」は,人間心理論である。

    戦争は,特需を生む。
    そこで,この特需で儲けようとする者が現れる。
    その者たちが画策することを論ずれば,「戦争陰謀論」になる。

    ひとは,さまざまな心理ダイナミクスから,戦争にのめり込み,これから脱けられなくなる。
    その者たちの生態を論ずれば,「馬鹿な戦争論」になる。


    陰謀論は,荒唐無稽な論を生みやすい。
    無知な者の疑心暗鬼がつくる論が,これになるからである。
    また,彼らを弄ぶ者が現れるからである。
    マスコミはこれを利用して,つぎをキャンペーンする:
      マスコミ (正論) に対する異論,それは荒唐無稽な戦争陰謀論である

    彼らのいちばんの間違いは,陰謀論を悪者論だと思っていることである。
    陰謀論は,悪者論になるのではない。
    陰謀はシステムのダイナミクスであり,ひとはこのダイナミクスに流されるのみの存在である。
    陰謀論は,人間のこの生態を論ずるのである。

    「ワクチン」の場合,陰謀論はつぎを内容にするだけで十分である──これを超えるのは逸脱になる:
    • ワクチンは,医療産業の利権である。
    • 医療機関,医療関係者は,この利権に属し,利権を損なわないことを己に強いる。
    • この利権の有利なように世論を誘導する役が, 「専門家」である。
    • 大量倒産・失業は,入れ替わりを狙う者にとってチャンスである。──ひとが生きることは何かの役 (ニッチ) を得ていることであるが,代わりはいくらでもいる。


    政府はいまワクチン接種を進めているが,これも「陰謀論」の内容のうちである。
    政府は,ワクチンを正義にしているわけではない。
    政府は,新型コロナ禍を収束する方法として,「ワクチン」を用いる。
    即ち,「ワクチン接種が進行しているので,もう普通の生活に戻ってだいじょうぶ」をつくろうとしているのである。

    政府は,国民がつぎのようになればよいのである:
      ワクチン接種を必要と思う者は,接種
      ワクチン接種を無用と思う者は,接種しない
    実際,それぞれつぎのように満足するからである:
      「これで自分はだいじょうぶ」
      「発症するときは,発症するまでのこと」


    しかしこの戦争収束策は,これまで主戦論をやってきた者たちの面子を潰すことになる。
    すなわち,マスコミ, 「専門家」, 国政野党──そしてこれらに追随してきた者たち──の面子を潰すことになる。
    彼らは面目を施そうとして,政府主導の戦争収束に必死に抵抗してくる。
    これが,ここからしばらくの時局である。

     註: 読売新聞は過去に,「先の大戦」について『検証 戦争責任』を著している。
    それが論ずる「戦争責任」には,マスコミの戦争責任の捉えが無い。
    「責任を自分以外になすりつけることは,マスコミの方法論のうち」というわけである。