Up メルク製コロナ飲み薬の政府承認 作成: 2021-12-25
更新: 2021-12-25


      読売新聞, 2021-12-25
    コロナ飲み薬 特例承認
    メルク製,国内初
     厚生労働省は24日、米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」 (商品名・ラゲブリオ)を特例承認した。 軽症者に使える国内初の飲み薬となり、「オミクロン株」にも効果が期待される。 政府は160万回分を確保しており、年内分として20万回分の配送を始める。
     この薬は、医師の処方が必要で、18歳以上で重症化リスクのある軽症・中等症の患者が対象。 1回4錠を1日2回、5日間服用する。 ウイルスの増殖を早期に抑えるため、発症5日目までに飲み始める必要がある。 妊婦には使えない。 海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認された
     現在国内で使える軽症・中等症用の治療薬は、点滴や注射で投与する。 飲み薬の登場で、自宅での早期治療が容易になる。 入院する人が減れば、医療機関の負担軽減にもつながる。

      同上
    飲み薬 早期投与課題
    「コロナ発症5日以内」
    27日にも使用開始
    ‥‥‥ 発症から5日以内の服用が求められ、いかに早く患者に届けるかが課題となる。‥‥‥
     厚生労働省によると、変異の多いオミクロン株に対しても、従来の変異株と同程度のウイルス増殖抑制効果があるとされる。
     コロナ患者を多く診療しているグローバルヘルスケアクリニック(東京都千代田区)の水野泰孝院長は「欽み薬を待ち望んでいた。地域の医療機関で速やかに診断を受け、処方を受けられる体制づくりを急いでほしい」と話している。‥‥‥
    米英 実用化進む
    仏は慎重姿勢
     新型コロナウイルスの飲み薬を巡り、米国と英国は世界に先駆けて実用化ヘ動き出している。
     米食品医薬品局(FDA) は23日、メルクの飲み薬モルヌピラビルについて、症状が軽度〜中程度の患者のうち、重症化しやすい18歳以上を対象に緊急使用許可を出した。 22日にはファイザーの飲み薬パクスロビドの緊急使用も許可している。 米政府はメルクと310万回分、ファイザーとは1000万回分の供給契約をそれぞれ結んでいる。
     ‥‥‥
    フランス政府は22日、「直近の研究結果が思わしくなかった」として、モルヌピラビルの購入注文を取り消したことを明らかにした。


    大衆は,薬を体によいものだと思っている。
    大衆がいろいろ薬に手を出すのは,健康な体になることを欲してそうするのである。

    大衆が薬を体によいものだと思っているのは,薬を体によいものだと思わせる者たちがいるからである。
    大衆は,彼らに騙されて薬を求める。
    大衆は,病院でしか施されなかった薬が自宅で使えるようになることをよいことだと思い,薬局でしか買えなかった薬が小売店やネットで買えるようになることをよいことだと思う。

    医事薬事産業は,ダブルバインドである。
    大衆に対しては,薬を体によいものだと思わせ,薬をどんどん求めるようにさせたい。
    一方,薬が何であることを知っているので,野放図に使われて被害が出たときに責任を問われない(てい)づくりを,常に心掛けていなければならない。


    医事薬事産業の仕事のうちに,政治を利権に組み込むというのがある。
    政治は医事薬事産業とズブズブの関係にある。
    この度のメルク製コロナ飲み薬の承認に対するアメリカ政府,日本政府,フランス政府の対応がそれぞれ違ってくるのは,ズブズブ関係・ズブズブ度の違いによる。

    入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認された
    これに対し,フランス政府は効果が無いと言う。
    日本政府は,効果があると言う。
    両者のいちばんの違いは,アメリカに対する立ち位置である。


    それにしても,「入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認された」は妙な物言いである。
    これは,実験結果をまとめて言っていることばである。
    それはどんな実験ということになるか?

    実験群,対照群としてそれぞれ同人数を集める。
    実験群には,「これはコロナに効くのみ薬です」といって,メルク製コロナ飲み薬を飲ませる。
    対照群には,「これはコロナに効くのみ薬です」といって,何でもないものを飲ませる。
    そしてそれぞれの群がどうなるかを観察する。

    例えば,実験群からは,70人がコロナで入院し,さらに7人が死んだ。
    一方,対照群からは,100人がコロナで入院し,さらに10人が死んだ。
    この場合,用語の定義から,「入院や死亡のリスクを約30%下げる効果が確認された」と言えることになる。

    しかし,ちょっと考えてごらんな。
    先ず,こんな実験を組めると,あなた本気で思ってます?
    それから,仮に実験が組めて上の結果になったとして,「薬に効果がある」と言えると,あなた本気で思ってます?


    もちろん大衆は,「30%であっても,0よりはマシ」と思い,薬を求めることになる。
    もともと「30%」のような数値には思考停止しているし,何といっても,薬は体によいものだと思っているからである。

    コロナ飲み薬は,細胞の中に送り込まれる。
    このとき,細胞を選ぶことはできない。
    どの細胞に送り込まれるかは,成り行き任せである。

    細胞の中に入った薬は,何をするのか?
    ウイルスの増殖は化学反応であるが,薬はこの反応が阻害されるような体制に細胞を変える。
    この体制は,細胞にとって異常な体制である。
    そして体にとって,このような細胞を孕むことは異常な状態である。

    この体が何を現してくるかは,製薬会社にはわからない。
    どんな副反応が出てくるかは,出たとこ勝負である。

    こうして,「新型コロナと薬,どっちが怖い?」という話になる。
    実際,薬が選択肢になるのは,「ただの風邪」が命取りになるような者だけである。
    ──ワクチンについても,同様。


    さて,薬は,大衆が思っているような「体によいもの」ではない。
    薬は,毒である。
    「毒を以て毒を制する」のことばに2つの「毒」があるが,前の方が薬である。

    薬は,生物毒を頂戴している。
    人間には,薬を創造する能力はない。
    製薬会社のしていることは,生物毒の分子構造を解析し,分子の一部を別の原子ユニットに置き換えることによって無毒化したり,あるいはまんまを希釈する,というものである。
    抗生物質なんぞは,生物毒をそのまま頂戴したものである。

    体は,毒で刺激するよりは,状況を学習しこれに適応する方向に導く方がよい。
    特に,新型コロナの場合は,感染すればよいだけのことである。
    何もできないくせに何かをしようとするのは,ひどい目に遭うだけである。

    くれぐれも,マスコミに煽動されぬよう。