Up 「オミクロン株の特徴」? 作成: 2022-02-05
更新: 2022-02-05


      NHK, 2022-01-25
    尾身会長「オミクロン株の特徴に合わせた戦術を」
     ‥‥‥
    尾身会長は政府の方針を了承した前提として「オミクロン株はこれまでのデルタ株などとは異なるので、これまでの対策の踏襲ではなくオミクロン株の特徴に合わせたふさわしい戦術をとるべきだということがあった。有効な検査の在り方や多くの軽症者がいる中でどう医療や社会機能を支えるか濃厚接触者をどうするか、感染対策の専門家だけでなく経済の専門家や知事などを交え新型コロナの対策分科会で議論すべきだ」と述べました。
     ‥‥‥


    「オミクロン株」は,これまでの「自粛」方式をなし崩しにして,世の中を平常に戻すチャンスになる。
    というわけで,経済を破綻させるわけにはいかない立場の者たちは,「オミクロン株の特徴に合わせたふさわしい戦術」のフレーズを掲げて,従来方式をなし崩しにすることに取り掛かっている。
    やり方は欺瞞だが,進めようとしていることは正解である。
    もっとも,どこまでがんばれるものやら。
    ──これまでの例だと,きまって腰砕けになる。


    彼らがいま進めようとしていることは正解だが,彼らの欺瞞はきちっと押さえておかねばならない。
    これを曖昧にしておいたら,後々のためにならない。

    オミクロン株に「特徴」などない。
    これまでの株と同じである。


    「感染力が強い」だって?
    感染力が強く見えるのは,陽性検査数が増えたからである。
    検査数の規模が最初からいまのようだったら,これまでの株もオミクロン並みの「感染力が強い」になる。


    「罹っても軽い」だって?
    オミクロン株の流行がようやく本格的になってきたいまは,年齢群別死亡数累計の推移が,1月26日から2月1日までの1週間でつぎのようになっている:

死亡数累計
<10 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80≦
1/25 まで 0 4 27 87 294 841 1648 4277 10840 18018
2/1 まで 0 4 29 87 303 844 1661 4326 10988 18242


1日あたり死亡数
<10 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80≦
1/26 〜 2/1 0.0 0.0 0.3 0.0 1.3 0.4 1.9 7.0 21.1 32.0

    そして,死亡数累計の推移を2月1日から4日まで1日ごとに見ると:
1日18,792
2日18,871 (+79)
3日18,949 (+78)
4日19,039 (+90)

    この傾向が1か月続けば,これまでとの比較で「罹っても軽い」などとは言えなくなる。
    ──これまでの1日あたり死亡数推移はつぎのようになっているからである:

    新型コロナは,オミクロンを以て「罹っても軽い」なのではない。
    新型コロナは,最初からただの風邪である。