Up 「ウィズ・コロナ」の意味 作成: 2020-11-18
更新: 2020-11-18


災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候。
死ぬる時節には死ぬがよく候。
是はこれ災難をのがるる妙法にて候。
    この意味は,「災難を嫌がると,酷いことになる」である。

    災難は,自然である。
    自然をのがれようとすることは人災になり,これは自然の災難よりさらに酷いものになるのである。


    新型コロナに対し,「有識者・専門家」とマスコミと国会野党は,これの恐怖を唱えることを自己表現にした。
    彼らに,幼稚な知事たちが追随した。
    政府は,この流れに抗えず,新型コロナを封じることを政策とし,ひとを「新型コロナ」を恐れるように導いた。

    しかし,新型コロナは,<封じる>で応じるタイプの感染症ではない。
    封じられない感染症として,風邪 (ヒトコロナウィルス感染症) やインフルエンザ (インフルエンザウィルス感染症) と同様の対応をとることになるものである。

    封じられない感染症に,<封じる>で応ずる。
    これはどんなことになるか。


    <封じる>の内容は,つぎの2つになる:
    1. 感染者を隔離する
    2. 感染者発生の余地を無くす

    封じられない感染に対して《感染者を隔離する》をやると,病院は病床の遣り繰りができなくなる。
    病院は,病床を遣り繰りできなくなるから,「感染者発生の余地を無くせ」を訴える。

    《感染者発生の余地を無くす》は,経済行動を自粛させることである。
    経済行動の自粛で,経済が落ち込む。
    行政は,経済を落ち込ませるわけにはいかないから,経済行動を促す施策を行う。
    これは,《感染者発生の余地を無くす》の反対をやることである。

    また行政は,感染を封じるとして,感染経路の掘り起こしをやることになる。
    感染経路を掘り起こすたびに見つかる感染者からは,それを起点とする新たな感染経路の掘り起こしが開始されねばならない。

    「ウィズ・コロナ」とは,この<ブレーキとアクセルの同時踏み込み>の状態をやれということである。
    これを言う者は,つぎのことを知らない:
     《 ブレーキとアクセルの同時踏み込みは,正のフィードバックの関係にあり,強める一方になる》


    いま「感染拡大」だとして発表している「感染者数」は,以前だったら天地がひっくり返ったような大騒ぎになっている数字である。
    しかし,ひとはいまは,経済の落ち込み,生活崩壊の方を重く思うようになってきたので,騒がないようにしている。
    「GoTo」をあれだけ非難した声が,いまはもう起こらない。
    生活崩壊を他人事にできる者の数が,減ってきているのである。

    感染者が一定数以上掘り出されるようになると,捜索システムが付いて行けるとしてだが,後はねずみ算式に感染者掘り出し数が増えることになる。
    万,十万はすぐである。
    風邪,インフルエンザを思うべし。──インフルエンザは,病院にかかった者の数だけで1千万人を超える。


    こうして,理屈では,「医療崩壊」──この意味は,「病床のやり繰りができない」──に至ることになる。
    それは,病床に対する新型コロナ感染者の優先度を考えねばならなくなる時である。
    そのとき,「医療崩壊になったらたいへん」を言ってきた者たち,新型コロナの恐怖を煽ってきた者たち──「有識者・専門家」, マスコミ,野党,知事,そして政府──は,何と言うか。

    「馬鹿な戦争」を終わりにできるかできないかは,彼らのその言によって決まってくることになる。
    なぜなら世の中は,彼らが「正義」を定め大衆はこれに従うだけ (「コンプライアンス」) というふうに,いまはなっているからである。