Up 新型コロナウイルスの細胞破壊の程度 作成: 2022-01-25
更新: 2022-01-25


    感染は,ウイルスが細胞に侵入し,細胞のタンパク質生成マシンを使ってクローンを大量生産し,そのクローンが細胞から出て行く,というプロセスである。
    このとき,クローンが細胞から出て行く形は,ウイルスによってつぎの2タイプに分かれる:
    1. 細胞を破り,まとまって外に出る
    2. 細胞を壊さず,一つ一つ外に出る

    A型は,つぎの条件が合わさると,出血性の重篤症状になり,さらには死に至る:
    • ウイルスが多くの細胞に侵入する
    • ウイルス1個あたりのクローン生産量が多い

    B型は,重篤にはならない。
    体が生産する抗体で。ウイルスの新たな細胞侵入が阻止される──これにより事態が収拾する。

    しかしB型の場合にも,細胞破壊が起こって,重篤化そして死に至るということがある。
    この場合の細胞破壊は,ウイルスがするのでなく,体の免疫機能がする (「サイトカインストーム」)。
    体が自分で自分を破壊するわけであるから,これは「免疫不全 (異常/疾患)」の類になる。


    新型コロナウイルスは,B型である。
    よって,ふつうは発症せず,発症しても軽度で済む。
    ──「ただの風邪」である。

    新型コロナで重篤化しさらに死に至るのは,(特に高齢者のような体の弱った者を含めて) 免疫不全者の場合である。
    新型コロナの死亡者は,2021年の1年で 1万4934人。
    よって日本人の場合は,「1万人に1人くらいが新型コロナウイルスに対して免疫不全を現す」という確率になる。