Up 「専門家/有識者会議」悪用の報い 作成: 2020-04-22
更新: 2020-04-22


    政治は,「専門家/有識者会議」を施策合理化の方法として用いている。
    予定している施策を専門家/有識者会議の「提言」の形に表し,これを根拠として施策を打ち出す──という回りくどい方法を用いるのである。

    専門家/有識者会議は,名目的存在である。
    会議の員は,都合のよい者が選ばれる。
    政府の意を受けた者が議長となって会議を進め,そして官僚が「提言」を作文する。

    この方法は便利なので,政治は専門家/有識者会議を悪用/濫用してきた。
    そしてこれがいま,「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」でしっぺ返しを喰らっている。

    《専門家/有識者会議の提言を受け,それを行う》を形にしてしまった政治は,専門家/有識者会議がコントロールするものでなくなるとき,専門家/有識者が指導する政治になってしまうのである。
    「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」が「医療崩壊」を理由にして「自粛」を提言すれば,政府はこれに従う。
    こうして,いま「医療崩壊」が──良識崩壊・生活崩壊・経済崩壊・財政崩壊を尻目に──いちばん重いものになってしまっているわけである。