Up 知事禍 : 要旨 作成: 2020-05-10
更新: 2020-05-10


    新型コロナは,難局と定めてはならないものである。
    難局と定めると,つぎはこれとの「戦争」を考え出すからである。
    そして,「馬鹿な戦争」をやってしまう。

    このやってはならないことを必ずやってしまう者たちがいる。
    都道府県知事である。


    彼らは,戦争を合理化するために,新型コロナをひじょうに恐ろしいものにしなければならない。
    新型コロナをひじょうに恐ろしいもののように唱える「専門家」を頼みにして,自分で自分を騙していく。

    彼らは,ひとを戦争に引きずり込む。
    戦争の中でひとの生活は崩壊する。


    新型コロナは,4月に入った頃には,せいぜいインフルエンザ並みの感染症であることがわかっていた。
    都道府県知事はこの認識に係わらないようにして,戦争を始める。
    しかし,新型コロナの「せいぜいインフルエンザ並み」は,蓄積されるデータを以てますますはっきり示されてくる。
    彼らは,これをごまかさねばならなくなる。
    馬鹿な戦争を始めてひとの生活を壊した張本人が,自分たちだからである。

    幸い,国民は を思いつかないくらいに,無知である。
    知事たちは,つぎの綱渡りをする:
      国民がこれらに気づかないことを頼みにし,
      新型コロナをひじょうに恐ろしいものにしたまま,
      戦争の幕引きをする。
    すべてこれ,ごまかしである。
    しかしこれが,彼らの自ら招いた役回りである。
    (もっとも,自分の立場がまだわかっていない知事もいそうではある。)


    知事らのやっていることをまさしく表すためのことばがある。
    「マッチポンプ」である。
    意は, 「自分で火をつけて自分で消す」。
    政治・行政は,いつも「マッチポンプ」である。
    いまは使われなくなったことばだが,政治・行政の的確な捉えを与えることばなので,継承していきたいものである。