Up 新型コロナってナンボのもんよ? 作成: 2020-04-16
更新: 2020-04-16


    「ウィルス感染症」とは,つぎのものである:
      ウィルスは自分では繁殖できない。
      他の生物の細胞の中に入り,その細胞のタンパク質合成メカニズムを借りて,自己複製的に増殖する。
      増殖したウィルスは,その細胞を破って外に出て行く。
      この過程の中で,細胞を壊してしまう。

    よってウィルス感染症の軽重は,つぎのの3つが決める:
    1. 体のどこの部位の細胞が破壊されるか
    2. 細胞が破壊される速度 (単位時間あたり何個)
    3. 体が免疫をつくるまでの経過


    「新型コロナ」は,インフルエンザの類である。
    「新型コロナ」とインフルエンザの違いは,ワクチンと薬(らしいもの) が無いことだけである。
    治し方に新型も従来型も無い。
    《しずかに寝て,体の抵抗力を頼む》である。

    大変なもののようにいまひとが受け取っているのは,宣伝効果である。
    ひとは「これまでのインフルエンザは軽く,今回のコロナは重い」のように思っている。
    しかし,これまでのインフルエンザも,つぎの数の死亡者を出しているのである:
        死亡数 死亡率
        インフルエンザ 3 323 2.7
        肺炎 94 654 76.2
      (厚労省『平成30年(2018) 人口動態統計月報年計(概数) の概況』より)


    インフルエンザへのひとの対応がこれまでどうであったか,考えてみよ。
    「高齢者・基礎疾患のある者に感染すると重篤化する」ということで,ひとの生活をストップさせたか。
    そのインフルエンザは年中行事である。
    つぎの回からは,今回を前例にして,「自粛──補償金支給」をやるというのか。


    ひとは,金はいくらでもあると思っている。
    自粛の補償金は,税金の再配分だと思っている。
    ところがどっこい,国の財政はこんな状態である:
      税収
        所得税 19.9 兆円
        消費税 17.7 兆円
        法人税 12.3 兆円
        ──以上の計:49.9 兆円
      歳出: 238.9 兆円

    この度の「補償金」財政支出は,100兆円を超えることになった。
    この金はどこから出てくるのか。
    造るのである。

     註: 商品経済とは奇妙なものであるから,こんなことをやってもなんとかなる。 問題は,その「なんとかなる」の「なんとか」が生産年齢者には酷なものになりそうだということである。


    行政は,「自粛」を指示しつつ,感染に不安をもつ者の病院駆け込みは,実質放ったらかしである。 (彼らが「本日新たな感染者」の中身である。)
    「自粛」を指示しなければならないのは,こっちの方である。
    すなわち,つぎのようにはっきり指示せねばならないわけだ:
      「自分の場所で寝てろ。
       病院に行くな──院内感染のもとだ。」

    「救急車の病院探しで10時間たらい回し」が報道されているが,これは同情する話ではない。 ひとの世の<本末転倒>を嗤う滑稽話である。


    ひとが《不安から,薬や病院に殺到する》者になったのは,医療・衛生産業の宣伝/情報操作の賜である。
    ひとがいましっかり理解すべきは,医療は産業だということである。
    病院は,自分大事のところである。
    人工呼吸器が足りないを唱える病院は,「今は設備充実のよい機会」をしっかり計算している。

    物事にはたくさんの面がある。
    よくよく吟味して,パニックの外に立つべし。