Up 「新たに○人が感染」は,サンプリング調査 作成: 2021-07-28
更新: 2021-07-28


      NHK News Web, 2021-07-27 22:06
    東京都 新型コロナ 2人死亡
    新たに2848人の感染確認 過去最多
    東京都内では27日、新たに2848人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、1週間前の火曜日の倍以上となり過去最多となりました。 ‥‥
     ‥‥
    27日までの7日間平均は1762.6人で前の週の149.4%となり、感染の急拡大に歯止めがかかりません。‥‥
    2848人の年代別は ▽10歳未満が97人 ▽10代が275人 ▽20代が951人 ▽30代が610人 ▽40代が466人 ▽50代が301人 ▽60代が91人 ▽70代が25人 ▽80代が23人 ▽90代が8人 ▽100歳以上が1人です。‥‥
    都の基準で集計した27日時点の重症の患者は26日より4人増えて82人で、重症患者用の病床の20.9%を使用しています。


    新型コロナ感染は,最初に伝えられてから既に1年半以上経つ。
    ふつうに生活している者なら,ほとんどすべてが感染していることになる。
    人が密集して生活する東京都なら,なおさらである。

    では,東京都民のうち何人が,いま陽性検査にかけたら陽性反応を現すことになるか?
    全数検査できることではないので,これはサンプリング調査で推計することになる。
    即ち,つぎのようにする:
      n人を抽出し,陽性検査をする。
      m人が陽性反応を現すとき,m/n を東京都民の陽性反応率とする。
      東京都の人口を 1400万人とすると,東京都民のいまの陽性反応者数は「1400万 × m/n」と計算される。

    ところで,この「サンプリング調査」は,実は毎日行われている。
    東京都が毎日発表している「検査の陽性率」が,まさにそれなのである。


    マスコミは,検査件数の隠蔽を常套とする。
    ひとの恐怖心を煽るため,陽性反応者数を (相対数ではなく)「新規感染者数」として絶対数にしたいからである。

    とはいえ,調べれば,検査件数・陽性反応率のだいたいの数値はわかる。
    即ち,東京都の「報告日別による陽性者数の推移」にそれが示されている。
      註: 東京都の場合,検査件数は過去3日間の平均値で計算される。
    検査から結果が出るまで1〜3日要するためである。

    それによると,陽性率はいま 17%くらいである。
      註: これまで5%くらいだったのがいま 17% に増えているのは,この間,被検査者の平均年齢が下がっているためである。
    NHK ニュース7, 2021-07-28,「60歳未満が約95%」


    この17%をそのまま推計計算に用いると
        1400万 × 0.17 = 238万
    となり,「東京都民でいま陽性検査をして陽性反応を現す者は,238万人」となる。
    しかし,現実の陽性検査は,被検査者の「無作為抽出」ではない。「17%」は症状が現れている者から芋づる式に濃厚接触者を辿っている部分もある。
    そこで,推計するときは,陽性率を「17%」よりずっと低く設定するのが穏当である。

    極端に「1%」としてみよう。
    このとき,「東京都民でいま陽性検査をして陽性反応を現す者は, 24万人」となる。
    少なくともこれだけの数の陽性者が常時いるわけだから,「新たに○人が新型コロナウイルスに感染」は検査数次第である。
    こうして,「新たに○人が新型コロナウイルスに感染」が延々と続けられることになる。


    「新たに○人が新型コロナウイルスに感染」を終わらせねばならない政府は,ワクチン接種に望みを掛ける。
    しかし,ひとはとっくに感染しているのである。
    そして,発症は,一度感染すれば発症しないというものではない。──体調の加減で発症する。
    そしてウイルスはふつうに変異し,ワクチンを役立たずにする。

    これは,「絶望的」の絵図ではない。
    「ただの風邪」の絵図である。
    実際,「東京都民 1400万人のうち,死者2名,重症者82人」なんぞは,「ただの風邪」の数値である。