Up 「死亡率」 作成: 2020-04-19
更新: 2020-04-19


    平成30 (2018) 年度のインフルエンザの死亡数・死亡率は,つぎのようになっている (厚労省『平成30年(2018) 人口動態統計月報年計(概数) の概況』第6表, p.34):
        死亡数 3 323
        死亡率 2.7

    さて,この「死亡率」であるが,意味は?
    罹患者数に対する死亡数の比?

    全国のインフルエンザ罹患者数は,推計値で約1000万人となっている (厚生省「季節性インフルエンザり患者数の推計方法等の変更について」,2018)。
    「死亡率」の意味が「罹患者数に対する死亡者数の比」だとしたら,「死亡率 2.7」だと 27万人が死んでいなければならない。
    ところが,表中の死亡数は 3323 である。
    はて?


    答えを言うと,「死亡率」とは,「年間,人口10万人のうちインフルエンザで死ぬ者の数」である。
    「死亡率 2.7」は,全人口を1億としたらそのうち
      2.7 × (1億 ÷ 10万) = 2700 (人)
    が死んでいる,ということである。
    「日本の総人口 1億2650万」を用いれば,
      2.7 × (1億2650万 ÷ 10万) = 3415.5 (人)
    となって,上の表中の「死亡数 3323」と符合する。