Up 国営メディア (NHK) は世論操作/誘導する 作成: 2020-04-17
更新: 2020-04-17


    朝鮮中央テレビのニュースを,日本のテレビが部分的に切り取って伝えることがある。
    これを見る者は,世論操作・誘導の厭らしさ・恐さを思う。

    いまの NHK のニュースは,朝鮮中央テレビのニュースと同じである。
    昨日政府が「緊急事態宣言の全国拡大」を発表したが,NHK ニュースはこれを「歓ぶ」国民の声をズラッと並べて見せた。


    このことを指して NHK を「国策メディア」と捉えるのは,間違いである。
    「国策メディア」だと,<国策 →メディア>の順番になる。
    しかし「国営メディア」を自任するものは,国策の先を行ってしまうものになる。
    先走りするわけである。

    この「先走り」のダイナミクスには,二つの契機がある。
    「矜恃」と「忖度」である。
    (このことは,朝鮮中央テレビでも同じと見るべきである。)


    政府は,ひとが「自粛」一辺倒になることにいちばんブレーキをかけたい者である。
    しかし,マスメディアによってつくり出される「ひとの声」に抗えず,これに引っ張られる一方になる。

    戦争と政府の関係はいつもこうである。
    「ひとの声」は,決まって,好戦一辺倒になる。
    政府は,この「ひとの声」に抗えず,これに引っ張られる一方になる。
    太平洋戦争は,過去の出来事ではない。
    いままさに,これと同じ構図の事が起こっているわけである。

    「ひとの声」は,なぜ好戦一辺倒に出来上がってしまうのか。
    ひとは,正義に弱いからである。
    正義を突き付けられると本心を萎縮させる──人間はこんなふうにできている。
    100人の集団では,1人のクレーマーの意見が通り,99人の良識が引っ込む。──クレーマーは正義だからである。


    NHK は,<正義担当>を自任する。
    これは,NHK の矜恃である。
    NHK は, 「政治は正義を行いたいのだろう」と忖度する。
    政治が躊躇しているようなので,われわれが先導して,やりやすくしてやろう」となる。

    こうなるのは,国営メディアのダイナミクスである。
    「是非も無し」である。
    批判する筋合いのものではない。

    NHK がやってしまう世論操作・誘導は,ルールの導入で予防するのみである。
    即ち,ニュースを「われわれの報道には偏向があります」のメッセージから始める──これをルールにするというものである。
    テレビ画面に「これはあくまでも個人的な感想です」のジョーク・テロップがよく出てくるが,ニュースにこれを適用するわけである。──この適用は,ジョークではなくシリアスである。