Up 政権と国 作成: 2022-04-03
更新: 2022-04-03


    国とは,政権がつくられる系のことである。
    この系は,生態系である。

    この生態系の中にいる人間を,「民」と謂う。
    あるいは,「大衆」と謂う。

    政権がつくられるのは,政権を必要とするからである。
    その必要は,外から内を守るという必要である。
    国の政経は,<外から内を守る政経>である。
    実際,外が無ければ,政権も国も生じることはない。


    <外から内を守る>の行為は,広い意味での戦争である。
    この戦争には,<外に侵攻>と,<外からの侵攻に対抗>の2つがある。

    戦争は,「責任は政権にあり,国民には責任が無い」が約束になる。
    大衆を<意志の無い者>にするのである。
    この約束の何がよいか?
    戦争の失敗を,政権の無能・邪悪のせいにできる。
    無能・邪悪な政権が起こした戦争ということにして,国民は責任を免れることができる。

     註 : 「意志は政権に存し,大衆には無い」を約束にできるのは,実際これが事実だからである。 ──例:「鬼畜米英・一億玉砕」が一夜にして「アメリカ大好き」に変わった日本国民。

    実際,政権の役割は,《不都合が生じたとき,不都合の責任をとらせられ,新政権と取り換えられる》である。
    各種団体の執行部と同じである。


    ロシアのウクライナ侵攻は,プーチンの失脚という形でのみ収束できる。
    プーチンの失脚が成らないときは,泥沼化する。
    ウクライナ政権にとって,「ロシアに国土を奪われて降伏」は選択肢になり得ないからである。

    ウクライナがまだマシなところは,《傀儡政権が立って内戦状態になる》を免れているところである。
    内戦は,欧米とロシアの代理戦争になる。
    そしてこれは,終わりがない。

    国とは,政権がつくられる系のことである。
    2つの政権が立つことは,国が無くなるということである。
    2つの政権が立ったそこは,2つの国になるという形でしか収束しない。