Up | 政権と国 | 作成: 2022-04-03 更新: 2022-04-03 |
この系は,生態系である。 この生態系の中にいる人間を,「民」と謂う。 あるいは,「大衆」と謂う。 政権がつくられるのは,政権を必要とするからである。 その必要は,外から内を守るという必要である。 国の政経は,<外から内を守る政経>である。 実際,外が無ければ,政権も国も生じることはない。 <外から内を守る>の行為は,広い意味での戦争である。 この戦争には,<外に侵攻>と,<外からの侵攻に対抗>の2つがある。 戦争は,「責任は政権にあり,国民には責任が無い」が約束になる。 大衆を<意志の無い者>にするのである。 この約束の何がよいか? 戦争の失敗を,政権の無能・邪悪のせいにできる。 無能・邪悪な政権が起こした戦争ということにして,国民は責任を免れることができる。
実際,政権の役割は,《不都合が生じたとき,不都合の責任をとらせられ,新政権と取り換えられる》である。 各種団体の執行部と同じである。 ロシアのウクライナ侵攻は,プーチンの失脚という形でのみ収束できる。 プーチンの失脚が成らないときは,泥沼化する。 ウクライナ政権にとって,「ロシアに国土を奪われて降伏」は選択肢になり得ないからである。 ウクライナがまだマシなところは,《傀儡政権が立って内戦状態になる》を免れているところである。 内戦は,欧米とロシアの代理戦争になる。 そしてこれは,終わりがない。 国とは,政権がつくられる系のことである。 2つの政権が立つことは,国が無くなるということである。 2つの政権が立ったそこは,2つの国になるという形でしか収束しない。 |