Up | 「対露経済制裁」の実際 | 作成: 2022-04-09 更新: 2022-04-09 |
ルーブル・露株価を持ち直させているのは,外国企業である。 日欧米政府の唱える「対露経済制裁」は,その実ごく限定的だということである。 実際「対露経済制裁」は, 「やってますよ」アピールのポーズと半々といったところである。 ロシアと商いをしている外国企業は,ロシアが言ってくる「ルーブル払い」に応じる。 ロシアの産品の輸入業者は,ルーブルで払うために,ルーブルを買う。 そして,ロシアが示してくる交換レートでルーブルを買うことになる。 ──商人にとって,商いをしないという選択肢は無い。 ロシアは,外貨建て対外債務の返済をルーブルで行うということも,決めた。 問題は外国の債権者がこれに応じるかということになるが,<応じない>は<返済されなくてよい>になる。 果たしてどれだけが「ロシアが方針転換するまでがまんする」をやれるか? がまんできなくてルーブルでの返済を受けた者は,ルーブルをドルに交換できるまでの間は,ルーブルが高値で支えられていることを願うことになる。 ロシアは,ドルを持っていられる間は,だいじょうぶである。 外国に依存している産品は,中国経由で買えばよいからである。 国内では,ドルの「無駄遣い」を引き締めることになる。 民には,ルーブルをドルに換えることを禁じる。 ドルを得た輸出業者には,そのドルをルーブルに換えることを義務づける。 マスコミは,対露経済制裁が着実に効いているように報じているが,これは希望的観測というものである。 ロシアは,自給自足できる国である。 いまの程度の経済制裁では,ロシアが経済逼迫するとはならない。 実際,経済制裁の効果として期待されているものは,ロシア国内が反プーチンに傾くことであり,それ以上ではない。 |