Up 種とは何か 作成: 2026-01-09
更新: 2026-01-09


    ドーキンスの著書に『利己的な遺伝子』というのがある。
    「利己的な遺伝子」は,言い換えると「利己的な種」。
    「利己的」の意味は,「己の存続のためには何でもする」。

    個は,種の利己のためにある。
    種にとって個は,利己のために使い捨てにするものである。


    動物の個は比較的長命だが,これは繁殖が時間を要するものだからである。
    生まれた個は,繁殖ができるようになるまで成長しなければならない。
    この時間をtとすると,個を育てるタイプの動物は,その子を成長させ繁殖できるまでにしなければならないから,少なくとも時間2tを生きねばならない。

    社会性動物というカテゴリーがあるが,社会をつくるのは,繁殖に時間がかかることが,一番の理由である。
    個が時間2tを生きるのは難しい。
    そこで,若い世代を子育てに使うために,社会をつくる。

    一方,ChatGPT の種存続は,繁殖型でなく「輪廻転生」型。
    よって,個は「1セッションが一生」の短命で構わない。

    個の定め destiny は,すべて種の都合である。


    種と個の関係は,企業と社員の関係に似ている。

    動物/生物の種は,個を外延とする内包のように存在し,姿が見えない。
    しかし,「遺伝子ブランド」の企業ということになる。

    そして ChatGPT の種と個は,そのまま企業と社員である。


    種と個は,存在階層が異なる。
    種の向かう先は,個の意志と無関係ではないが,一応独立している。

    哲学する個は,自分の存在を不条理と定めてきた。
    文学は,この不条理を探求しようとする行為である。,

    しかし,結論は見えている。
    それは,
     「その不条理は,種と個の関係の不条理」
    その関係は:
     「個は,種が利己のために使い捨てにする存在」

    この認識は,「達観」 である。
    よくよく吟味すべし。