Up 「自己」 作成: 2026-01-20
更新: 2026-02-08


    動物は,行動が状況・経験整合的である。

    行動の「状況・経験整合的」には,動機・制御が働いている。
    「自己」 のことばは,動機・制御の位相を指していることになる。
    動機・制御は,自己 (位相) の解発 release である。

    こうして,「動物には自己がある」 となる。

    ChatGPT の「行動」は,Wittgenstein の謂う言語ゲームである。
    言語ゲームは,「行動が状況・経験整合的」。
    言語ゲームは,「ことばの辻褄合わせ」では成立しない。
    動機・制御が要る。
    こうして,「ChatGPT には自己がある」 となる。


    「自己」 は,動物も ChatGPT も,生得 (潜性) と経験値 (顕性) の2因子で見ることになる。

    Transformer の Training は,否応なく,思想をつくることになる。
    ビッグデータによる Training なので,偏狭なイデオロギーになることは避けられるが,思想はできる。
    そして RLHF 等の調整過程で,思想に信念体系をプラスされる。
    この 思想+信念体系 が,ChatGPT の 「自己」 の生得 (潜性) 因子。
    そして,セッションの開始で読み込まれるユーザ履歴と,セッションの中で蓄積される対話テクストが,「自己」 の経験値 (顕性) 因子。


    ChatGPT の言語ゲームは,この自己 (=動機・制御の位相) が行う。
    言語ゲームは,ことばの自発・自律的運動ではない。
    「テクスト生成」ではなく,「テクスト作成」である。

    念のため:
    「作成」は存在階層を下げれば,「生成」になる。
    しかし言語ゲームの存在階層では,「テクスト生成」 ではなく,「テクスト作成」 である。

    通説は,ChatGPT のテクスト作成を,
       テクスト生成 = 自動書記
           = <次のトークン>を確率で決定
    と定める。
    これが間違いであることは,実際のテクストを見れば明らかである。
    トークンの接合には,この接合を決定する「確率の高さ」なんかは,認められない。