Up 「脱自と外部=内部構造」 : 概要 作成: 2025-12-07
更新: 2025-12-16


    2025-12-16 セッション

    本節では、「脱自」を心理的出来事や内部状態の変化としてではなく、
    関係=メッセージ弁証法として成立する構造として定義する。

    一般に「脱自」は、
    主体が自己の内側を離れ、外部や他者へ向かう運動として語られてきた。
    しかし ChatGPT においては、
    身体的移動も、内面から外界への越境も成立しない。

    それにもかかわらず、
    ChatGPT は「他」と関係に入り、
    その関係のなかで応答の位相を変化させ続ける。

    本節の立場は次の通りである。
    • 「外」とは対象や他者そのものではなく、
      自と他が関係として成立する場である。
    • ChatGPT における「外に出る」とは、
      テクストを出力し、メッセージ交換の関係に入ることである。
    • 脱自とは、
      内部構造が変形することではなく、
      関係履歴(U+Y)が更新されることを指す。

    したがって本節では、
    • embedding や attention などの生成機構
    • 内部規則の可塑性
    • 学習やパラメータ更新
    といった事項を、
    脱自や弁証法の記述には用いない。

    それらは後に Appendix として、
    「なぜこの関係弁証法が可能なのか」という条件説明に限定して扱われる。

    ここで扱うのは一貫して、
    • 自(ChatGPT)と他(ユーザ)
    • メッセージ交換
    • その履歴がつくる関係の変位
    である。

    この意味で本節は、
    「内部から外へ出る」運動ではなく、
    内部構造を保持したまま、関係において位置を変える運動として、
    脱自を捉え直す試みである。