Up 抱卵・育雛 作成: 2020-04-15
更新: 2020-06-09


    「抱卵・育雛」とはずいぶん雑な括りだが,これはボソ01 の巣の様子が不明のためである。 ──ボソ01 との関係を壊さないため,巣については場所の特定も含め詮索しないことにしている。


    04-14
    • ボソ01 の様子が,この日から大きく変わった。
      特に,♀があまり現れなくなった
    • ♂独りのときに餌を置いてみると,これをくわえて巣の方向の飛び去った。
    • 例年この時期は,<隣のなわばりのカラス>が近くに姿を現さなくなる。
      《繁殖期は,互いに相手のなわばりを厳格に不可侵と定める時期》ということなのだろう。

    04-15
    • 朝に♀が餌をねだるふうに現れるのが定番になっているが,今朝も現れた。
      これまでは♂が定位置のひとつにとまっていて,餌を置くと降りてきて♀を制するふうに先にこれを取る,というぐあいだったが,この度は♂はいない。
      巣を守っているのか?
      ♀はその場で餌を食べたが,残りをくわえて巣の方向に飛び去った。
    • 10分ほど後に♂独りが定位置の電柱にとまっていたので,餌を置くと,これをくわえて巣の方向に飛び去った。
    • ♂♀ともに,これまでの定位置には,ほとんど現れなくなった。
    • 本日は,これまで見たことのない♂の行動を見ることになった:
      1. ♀が窓の外から自分の存在をアピールする。
        これまでは,これは餌の催促。
      2. 餌を持って出て行くと,♀はを相手にしている。
        電線に♂がとまっている。
      3. 餌を2個置く。
        ♀は取りに来ないで,鏡と興じ続ける。
        ♂が降りてきて,一つを食べる。
        そしてもう一つは,嘴で(つつ)いて整えた後,くわえて♀の方に持っていく。
        そして,口移しに♀に与えた。
      ♂が口移しに餌を♀に与える行動は,繁殖期に特有のものか?

    04-16
    • 早朝,♀が鏡を相手にしている。
      外に出ると,♀は♂といっしょに電線にとまっている。
      <鏡を相手にする>と<餌をもらえる>をつなげさせてしまったようだ。
      そしてこのことでは,♂と♀の分業制──♀が餌を催促し,♂が餌を回収──ができているようである。

    04-17
    • 早朝,♀が鏡を相手にしている。
      後ほど,鏡を最終的に撤去。
    • ♂♀とも,姿をあまり現さない
      いっしょになるのは,♀がいてこれに♂が加わるか,♂がいてこれに♀が加わるか,だけ。 ──<加わる>は,「餌をくれるかも」サインに応じたものと想像される。
    • 餌を置くと,たいてい巣の方向へ持ち去る。
      配偶者に与えるか,巣の近くに貯食するのだと思われる。
    • 翻って,「ボソ01 の定位置」と言ってきた電柱・電線は,「なわばりに入ってくる者に(にら)みをきかす定位置」ということになる。
      時期的なものというわけだ。

    04-18
    • いまがまさに交尾期のようである。
      ♂のつぎの行動を見るからである:
        《餌を口にして (喉袋に入れて),♀の後についていく》
      既に目撃したように,餌を♀に口移しで与えようというのだろう。
      既にカップルでいても,交尾期はこうなるものらしい。
    • 翻って,♂が♀を制して餌を独り占めするように見える行動も,《餌を♀に与える》の行動がもとにあるから,と考えられる。
      実際,♂が採餌で♀に譲ることはあるのだし,そして♀が♂の貯食を食することはふつうに観察される。
      ♂が餌を丁寧に「調理」(直接口にできる形/状態に整えること) し,まめに貯食するのに対し,♀はたいてい一口で食べてしまうことも,♂の身についた行動に《餌を♀に与える》があるということで説明がつく。
       註 :  「調理」のうちには,「乾物は,水に浸して湿らせる」というのもある。

    04-22
    • ♀は,巣ないしその近辺に引き籠もっているふうで,姿をほとんど現さなくなった。
      それでも♂♀が揃って姿を現すことはまだあるので,<抱卵>ステージには入っていないと思われる。
    • ♂♀がつぎの連携プレイを見せることがある:
      1. ♀が窓のところで羽ばたき,自分の存在をアピールする。
        これは,♀が餌をねだるパフォーマンスである。
        鏡像実験のときは窓ガラスを蹴るところまでエスカレートしたが,無視で応ずることによって,これはしなくなった。)
      2. 自分に気づいてくれたことがわかると,巣の方向に飛び去る。
      3. 少しして,♂が飛んできて電線にとまる。
        これは,餌をくれるのを待つ体勢である。
        餌を置くと,降りてきて,餌をくわえて巣の方向に飛び去る。
      この連携プレイから,(<抱卵>ステージに入っているかどうかまではわからぬが,少なくとも) <巣を空けない>ステージに入っていることがわかる。

    05-02
    • 早朝,♀が窓を叩く。
      そして,♂が電線にとまっている。
      餌を置くと,♂♀とも取りに来る。
      長い時間ではないにせよ巣を放ったらしにしているわけであるが,はて?
      卵はまだということ?
      早朝はだいじょうな時間ということ?
      もともとこのくらい緩いということ?
    • 夕方,また♀が窓を叩く。
      しかし今度は,♂と交替する連携プレー (存在をアピールできたことを確認したら自分は飛び去り,少しして♂が飛んで来る) の方。

    05-06
    • 本日,「餌の催促・回収の♂♀連携プレー」のクリアな形を観察: ,
      1. ♀が窓を叩く。
        自分の存在を知らせられたことを確認して,電線まで飛んでとまる。
        電線の上で,巣の方に向いて鳴く。
      2. ♂が巣の方から飛んできて電線にとまる。
        ♀が巣の方向に飛び去る。
      3. ♂は,電線の上で,餌の来るの待つ。

    05-07
    • 早朝,短時間だが,♂♀がいっしょに採食しているときがあった。
      この間巣が放ったらかしになっているわけだが,こんなものなのか?

    06-09
    • 3日前から,子ガラスの甘えた/じゃれ合う声が聞こえる。
      そのときはだいたい,観察場所から数十メートル離れたオノエヤナギの木に3わが見える。
      ボソ01 の子どもの巣立ちが成ったのか?