Up 巣立ち・巣外育雛 (2021) 作成: 2021-06-12
更新: 2021-08-19


    06-12
    夕方,ボソ01の巣のある方角から,子どものハシボソガラスの鳴き声が,ひっきりなしに聞こえる。
    ボソ01 の子の巣立ちが始まっているようだ。

    06-13
    早朝,ボソ01 の子どもの鳴き声が,近くでひっきりなしに聞こえる。
    親から巣外を練習させられている様子。

    06-14
    電柱/電線にとまっている子どもの姿を捉える。
    頭数は,まだ不明。

    06-15
    早朝,電線にとまっている子ども (1頭のみ)


    06-25
    ここまでの観察から,今年巣立った子どもは1頭のみ。
    去年は2頭だったが,それと比べて行動の不活発が目に付く。


    06-27
子どもが餌を口にくわえて移動し,「貯食」を行動しているところ。
親の貯食行動を観察して,もう学習しているわけだ。
(観察者は感心しきり)


子どもと♀親





    06-29 06:48


    07-07 07:33


    07-08 11:33〜11:45
子どもと♀親






    07-10
中央が,子ども
口を開けているいるのが,子ども


    07-14


    07-16
    軒下に雨水を受けるためのポリバケツを置いているが,子どもがこれを使って水浴び
餌をくわえた♀親に子どもがそれをせがむが,親は与えない。
巣外育雛では,<給餌減らし>の方法で,子どもを自分で餌を採ることに仕向ける。



    07-25
    22日から親の採餌に子どもの姿がな無かったが,本日♀親が餌をねだる子どもに餌を与えるのが観察された。

    巣外育雛が7月に入ってくると,なわばりが緩くなり,隣のハシブトガラスファミリーがボソ01のなわばりにふつうに入ってくる。
    この場合,両者は対峙する格好になり,また小競り合いが見られる。
    そして子どもも,これにだんだんと参加していくようになる。
    こういうことを含め,子どもはなわばりをもつとはどういうことかを学習していく。

ボソ01ファミリーとハシブトガラス (1頭が画像に入っていない)


    07-27
    親がする「水にうるかして食べる」を見て,これを実践
餌を足で押さえて
つつく
さらに水に浸す


    08-08
    8月に入ったくらいから子どもの姿を見ていなかったが,本日,姿を現した。
    独りで餌をとっていたが,♀親が現れると餌をねだるしぐさをした。


    08-12


    08-19
    採餌での♂♀親と子どもの関係を観察しているが,どうもわからない。

    ♂♀間は,つぎの形がいずれもふつうにある:
    • ♂優先の形をはっきり現す
    • いっしょに餌を採る
    • ♂が♀に,または♀が♂に,餌処理をまかせっきりにする

    親子間は,つぎの形がどちらもふつうにある:
    • 親が子どもを近くに寄せ付けない──寄ってくると叱って追い払う
    • 子どもが親の中に入ってきて餌を採る

    親が子どもを近くに寄せ付けない場合,親の採餌が終わった後に子どもがその場所に来て残り物を採る,というのが観察される。

    また,親が口に含んだ/くわえた餌を子どもがせがみ,親が与えるというのが,まだある。
    本日は,♂親がこれをするのが観察された。
    子どもを自立に導くための<給餌減らし>は,時間をかけて段々と進めるもののようである。

    なお,採餌の状況では,子どもは餌をせがむ鳴き声を立て続ける。
    これには,親にまとわりついて鳴くと,親から離れたところで鳴くの両方がある。
    どうであれば親の近くに行き,どうであれば行かないのか──これもわからないままである。

    ただ,採餌でボソ01親子が現す行動の色々には,隣のハシブトガラスの存在が関係しているような気がする。
    巣立ちが過ぎると,ボソ01のなわばりの中に隣のハシブトガラスがふつうに入ってくるようになる。
    このハシブトガラスに採餌が視られている状況では,ボソ01 は餌を取られないよう用心する行動をとる。
    採餌における♂♀間・親子間の行動の色々は,この用心行動と絡んでいることが考えられてくるのである。