♀は,鏡像を突き,間をおいては鳴く。
鳴くのは,<不思議なもの>に対し鳴いていることになる。
その意味は「失せろ!」か?
餌そっちのけで<不思議なもの>にしばらく対した後,餌を食べる。
このときは鏡像に警戒する様子は無いので,<不思議なもの>を<自分に対し何かアクションしてくるもの>とは思っていないことになる。
鏡像実験をすると,♀は鏡像に執着するようになる。
同じ行為を,車のバックミラーやフロントガラスに対してもするようになる。
これが,この実験の難儀なところである。
♀にとってこの<不思議なもの>をどう認識しているかは,読めない。
自分だと認識している可能性だって,こじつけて考えることはできる。
即ち,つぎのように:
「 |
自分が別にもう一つ,不思議な体でそこにある。
退散して,われに安らぎを戻せ!」
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しかし,鏡像に執着して自らこれを求めるふうがあるので,この線はないだろう。
♂は,鏡の前に餌を置いたときに,これを取りに来る。
鏡像を無視して,餌を取る。
鏡像に怖がるふうはない。
♂は,鏡像の詮索は──鏡像と相対することを含め──いっさいしない。
これはこれで何を表しているのか?
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