ハシボソガラスは,貯食をする。
したがって,場所の記憶ができる。
この「場所の記憶」は,有無の認知とはまた別のことがらである。
実験:
- 直径8cm,深さ5cm の穴を二つ,3.5m 離して掘る (A, Bとする):
- ハシボソガラス 01♂,♀ が電線にとまってこちらを見ているところで,餌をA, Bの順に置き,その場から離れる。
二わが降りてくる──いつもの通り,♂の後を♀が追うふうに。
- ♂は,Bの方に来て,餌をとる。
♀は,この間,♂の後ろでうろうろするだけ。
- ♂は,Aの方には行かず,電線に戻る。
餌をとり損ねた♀は,しばしうろうろするが,Aの方には向かわない。
比較:
01♂ に対し,餌を地表4,5箇所に散らして置く。
しかし 01♂ は,全部拾って食べる。
以上から,つぎが結論される:
《ハシボソガラスにとって,<見えない>は「無い」である》
翻って,01♂ が地表に散らして置かれた餌をすべて拾うのは,
ということになる。(人の目には,周りと紛れて見えない。)
この実験は,数回でお終いとなる。
即ち,カラスが勝手を覚え,両方の穴をチェックするようになる。
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