Up <見えない>は「無い」: 実験1 作成: 2019-02-28
更新: 2019-02-28


    ハシボソガラスは,貯食をする。
    したがって,場所の記憶ができる。

    この「場所の記憶」は,有無の認知とはまた別のことがらである。

    実験:
    1. 直径8cm,深さ5cm の穴を二つ,3.5m 離して掘る (A, Bとする):
    2. ハシボソガラス 01♂,♀ が電線にとまってこちらを見ているところで,餌をA, Bの順に置き,その場から離れる。
      二わが降りてくる──いつもの通り,♂の後を♀が追うふうに。
    3. ♂は,Bの方に来て,餌をとる。
      ♀は,この間,♂の後ろでうろうろするだけ。
    4. ♂は,Aの方には行かず,電線に戻る。
      餌をとり損ねた♀は,しばしうろうろするが,Aの方には向かわない。

    比較:
      01♂ に対し,餌を地表4,5箇所に散らして置く。
      しかし 01♂ は,全部拾って食べる。

    以上から,つぎが結論される:
      《ハシボソガラスにとって,<見えない>は「無い」である》

    翻って,01♂ が地表に散らして置かれた餌をすべて拾うのは,
      《餌をすべて見てとらえているから》
    ということになる。(人の目には,周りと紛れて見えない。)

    この実験は,数回でお終いとなる。
    即ち,カラスが勝手を覚え,両方の穴をチェックするようになる。