Up 場所の同定 作成: 2018-07-30
更新: 2018-08-02


上空からサバンナを眼下にする。
1点Pを定める。
ちょっと目を離せば,どこがPだったかわからなくなる。
さらに,Pから離れたところに着陸して,Pを目指して歩く。
さて,Pはどこか?
場所同定は,人間にとって非常に困難な課題となる。
しかしカラスは,難なくやってのける。


観察実験の状況




2018-07-30
06:40
<電線2>にとまっていた子カラスを,実験対象とした。

カラスから見えるように餌を置く:
A:ヨコ 1m,奥行き 70 cm
矢印の先にあるのが,餌
(「周りに埋没する色・大きさ」に留意した)



ハシボソガラスは,警戒心が強い。
餌に仕向けるためには,警戒心を薄める手立てをしなければならない。
家の中に入り,部屋にいることを<窓1>越しにカラスに見せる。

以下,<窓2>から観察されたこと:

餌を置いてから約10 分後,餌の場所から離れたところに降りてきた:
06:51


フェイクの採餌行動を見せながら,餌の場所に少しずつ近づいていく:
06:51
06:52
餌の場所に到着:


あたりを警戒しながら,餌をついばむ:
06:52〜53


食べ終わって,場を離れる:
06:53



以下は,餌要求のデモンストレーションのようにも感じられる:
06:53〜54
餌を採る行動をしながら,徐々にこちらの方に近づく:
場所Aの方に向かう:
場所Aで,餌を探しているような行動をする:



さて,カラスはどうして場所を見失わないのか・覚えていられるのか?
この能力は「地理の熟知」とは違うふうである。
「貯食」が示すように場所記憶もひじょうに確かであることから,カラスの (一般に,動物の) 地理能力のしくみは,人間の常識の枠で考えられるものではないようだ。




2018-08-01
「複数箇所を同時に覚えていられるか?」の実験

06:58
電柱にとまっている親カラスを対象にして,
カラスに見えるように,つぎの3箇所に餌を置く:



しかし,子ガラス複数もこれを知るところとなってしまった。
とりあえず,この状態で実験継続。

カラスが警戒して近づかない状態が,約20分続く。

07:17
親子2わが降りてきて,それぞれ餌1, 餌2を採る。

07:18
親ガラスが餌3の方向に移動


餌3に至るかと思ったが,至らず。
その後子どもの方が餌3に接近する場面もあったが,至らず。

07:34
餌3が残っている:



08:20
餌3がまだあることを,そばに立った状態で目視。
その直後再び来ると,無くなっていた。
このとき電線2にカラスがとまっていたので,餌3を目視しているところを見ていたのか,それともやはり餌3を覚えていてそのままにしていたのか,不明。




2018-08-02
2018-08-01 と同じ実験

05:50
電柱にとまっている親カラスを対象にして,カラスに見えるように,
2018-08-01 の3箇所からそれぞれ少しずらした位置に,餌を置く。
(2018-08-01 と同じく,餌1, 2, 3 とする。)


05:55
5分後,2018-08-01 と同様親子2わが降りてきて,それぞれ 餌1, 餌2を採る。
(対象とした電柱のカラスとの関係を確認するのを忘れてしまった。)
餌3は,念頭に無い様子。

餌3が,すっかり草に隠れてしまっていることが原因?



06:11
こちらを伺っている2わ (電柱と電線2) に対し,餌3を見えるようにする。



06:16
5分後,1わが降りてきて,餌3を採る。
(対象としたカラス2わとの関係を確認するのを忘れてしまった。
 但し,電柱にいたカラスではない。)

餌3を採った後,しばしブラブラ



カラスが複数になると,観察が手に負えなくなる。
 ( 観察では,カラスを驚かしたり警戒させないよう,できるだけじっとしているので,いろいろなことができない。)
「カラス1わだけの実験」の実現が,次回の課題。