Up 巣外育雛 作成: 2020-06-20
更新: 2020-08-24


巣立ち

    06-20
子ども2わ
2わの子どもの間に親♂
  • 2わの子どもに,体格差が見られる。
    体の大きい方が餌を強く求め,そして親も強く求めてくる方に餌を与える。 ──この場合は,体格差の拡がりに正のフィードバックがかかっていることになる。
  • 子ども2わが互いに離れたところにとまっているとき,親はそれぞれに餌を与える配慮はするが,偏りがある。

  • 18:30 頃
左から,親♀,子ども2わ,親♂



    06-24
親♂が子どもに餌を与える


左下親♂,左上親♀,他2わが子ども



    06-30
    • 朝,親♂♀と子ども1わ (Aとする) が現れる。
      餌を専らAに与え,もう1わ (Bとする) の存在が無いかのよう。
      ここ数日雨が続いているので,Bが死んでしまったのではと思ったが,後からBがやって来た。
    • 2わが一緒にいるときの餌やりは,強くせがむ方の口に餌を入れることになる。
      人だと「偏りを少なくする」の配慮が働くところだが,ボソ01にはこれは無い。
      一方,既に述べているが,二わが離れているときは,一方だけにということは無い。
    • 子どもの口の中の色が,赤から白へと少しずつ変化してきている。



    07-01
    • 巣立ちの頃から,ボソ01のなわばりの中にはハシブトガラスの姿が──時たまだが──ふつうに現れるようになる。
      なわばりがほんとうに厳格なのは,抱卵から巣立ちまでのようである。
    • 本日,ボソ01一家4わが餌を啄んでいるところに,ハシブトガラスが餌にありつこうと降りて来て,ボソ♂に追い払われることがあった。
      追い払われたハシブトガラスはまだ近くに佇んで,去らない。
      ♂は,ハシブトガラスの間近に寄る。
      ただし,威嚇しているように見えるのは,頭の毛の逆立ちくらいで,発声は無い。
      (もっとも,観察者にはこの程度しか見えないだけで,威嚇のシグナルが色々発せられているのかも。)
      ハシブトガラスは,場所をずらす。
      ♂は,これに続く。
      そしてついに,ハシブトガラスが去る。
      ここで興味深かったのは,体の大きい方の子どもが,♂に加勢するふうに♂のそばまで飛んで行ったことである。



    07-05
子ども





    07-16


親♂と♀の間を,餌をねだって行ったり来たり


手前が親♂,後ろが子ども


子ども






子ども2わ



    07-24
    2, 3日前から,親子が一緒のところを見るときは,子どもが1わ。
    どうしたのかと思っていたが,今朝,親子4わが揃うところを見る。

    子どもが親についているときは,餌をねだる声を出す。
    子どもは,もう親にいつもべったりではなく,餌が欲しいときに親について回る──ということのようだ。

    子ども2わが,親♂に付くのと親♀に付くのに分かれているのかも知れぬが,不明。

    口の中の色も,赤から白にだいぶ変わってきている。
    ただ,躰はまだ親より一回り小さい。



    08-04
    この2日間子ども2わを見なかったが,本日確認。
    親から子への餌の口移しはそろそろ終わりかと思ったのだが,この行動は本日もあり。



    08-11
    餌をねだる子どもに親が口移しで餌を与えることは,だんだん無くなってきている。
    それに替わって,親が子どもに<貯食>を指導しているふうが窺われようになっている。
    <貯食>が指導されているのでは?と感じる場面はこれまでにもあったのだが,本日はだいぶていねいに観察したことで,間違いなしと断ずる。,

    その指導形態は,
      餌をくわえ,
      餌をせがむ子どもに応じず,歩いてあちこち移動し,
      最後に餌を<貯食>する
    というものである。
    子どもはこの間,餌をせがむ鳴き声を出しながら親にまとわりつく。
    いっこうに餌をくれないので親についてまわるのをやめても,親を観察している。
    これが<貯食>行動の学習になるというわけだ。

    カラスの貯食は,学習によって身につける行動のようである。



    08-12



    08-13
    親の《餌をくわえ,わざと子どもをじらすようにして,移動する》の行動は,最終的に貯食に至れば「貯食の指導」と思えてくるるが,人間の「乳離れ」の指導と同じなのかも知れない。
    子どもは,(「これまで餌をくれていたのに,いったいどうなってるの」というふうに) とギャーギャー泣きわめく。
    そして親は,子どもを勝手に鳴かせておく。
この行動を観察するための餌を置く。
親♂ (手前) がこれを取る。
子どもは,観察者/カメラを警戒して離れている (後方左2わ)。

    以降,♂は,餌をせがむ子ども2わを自分にまとわりつかせて,
      <餌をくわえて移動>
      <貯食のような動作>
    の二つを延々と行う。
    この間,子どものやかましい鳴き声がずっと続く。
    (近所迷惑を憚ったらやれない観察実験である ^^;)
    親♀は,観察者/カメラを怪しんで監視ということなのか,観察者から少し離れた場所に留まる。



    08-15
    シーン1
    餌をとる親♂♀に,子ども1わ (発育が遅れている方?) が餌をねだる。
    ♂♀ともに,子どもを寄せ付けず,自分が食べるばかり。

    シーン2
    「子どもに口移しで餌を与えるのは終わった」と思ったが,この度も外れ。
    はじめは子ども (1わ) を寄せ付けなかった親♀が,子どもに口移しで餌を与えた。
    子どもに泣きつかれると,ついつい甘やかしてしまうようだ。
    翻って,子どもを寄せ付けないときは,《心を鬼にして》そうしているということ?



    08-18
    本日,昨日,一昨日と,子どもが親にくっついて来るのを見ない。
    2わとも自立したか?



    08-20
    本日も,♂♀は寄って来るが,子どもは見ない。
    08-16 に溯って,この日を以て巣外育雛終了とする。



    08-24
    ♂♀が餌をとっているところに,子ども1わがやってきた。
    ──子どもを見たのは9日ぶりということになる。
    子どもはしきりに餌をせがんで鳴くが,♂♀ともに餌をやらなかった。
    ♂では,接近する子どもを突き放すしぐさが観察された。
    ♀では,餌を口にくわえて歩きながら,これに鳴きながらついてくる子どもに対し餌を口に加えたまま何回も鳴く (「ダメ!」を言っている?) のが,観察された。