Up 2020-01-10 ──考察 : 鏡像アニミズム 作成: 2020-01-10
更新: 2020-01-10


    鏡に対するボソ01 ♂♀の対し方は,相変わらずである。
    ♀は,鏡像に対し挑戦的。
    ♂は,鏡の前に置かれた餌を取りにはくるが,鏡像に対しおっかなびっくりで,そそくさと餌をとって鏡から離れる。 鏡が風で揺れたり,♀が突っつくことで揺れたりすると,びっくりして飛び立つ。

    これも相変わらずだが,餌が置かれた鏡の前に♂と一緒に来た♀は,♂と餌取りを競うのは後回しにして,鏡像への攻撃を先ずやり出す。
    これは,つぎの解釈が考えられる:
      鏡の中の餌を鏡の中のカラスが取ろうとしている/取っているので,
      「取るな!」と鳴く。
    ただし♀の《餌を取るより先に,鏡像を攻撃する》は,♀独りのときもある。
    よって,一段緩いつぎの解釈も立つ:
      鏡の中に餌がありそしてカラスがいるので,
      「取るな!」と鳴く。


    ♂は,鏡の前の餌にはあまり執着しない。
    細かい餌は,♀に任せる。
    また,餌の回収をまるまんま♀に任せてしまっているように見えるときもある。


    このように鏡像への対し方は♂♀で違うが,鏡像に対する思いは同じであるように見える。
    即ち,<オバケ>である。
    ♂と♀の違いは,《♂はオバケを怖がり,♀はオバケをやっつけようとする》である。

    鏡像を<オバケ>と見るのは「鏡像アニミズム」ということになる。
    これについては,ボソ01 を笑えたものではない。
    鏡に関する迷信がいろいろあり,またミステリーがいろいろ創作されてきたように,ひとにとっても鏡像は気味の悪いものである。
    実際,鏡についての科学的知識も,気味悪さの克服には役に立たない。──知識と恐怖は次元の違うものだというわけである。

    <鏡像を自分と思う>は,<鏡像をオバケと思う>と両立する。
    かくして,この実験の収束の形がいよいよわからなくなってきた。