Up 2021-12-05 : ♀の鏡への執着 作成: 2021-12-05
更新: 2021-12-05


    ♀は,鏡像を(つつ)き,間をおいては鳴く。
    鳴くのは,<不思議なもの>に対し鳴いていることになる。
    その意味は「失せろ!」か?

    餌そっちのけで<不思議なもの>にしばらく対した後,餌を食べる。
    このときは鏡像に警戒する様子は無いので,<不思議なもの>を<自分に対し何かアクションしてくるもの>とは思っていないことになる。


    鏡像実験をすると,♀は鏡像に執着するようになる。
    同じ行為を,車のバックミラーやフロントガラスに対してもするようになる。
    これが,この実験の難儀なところである。

    ♀にとってこの<不思議なもの>をどう認識しているかは,読めない。
    自分だと認識している可能性だって,こじつけて考えることはできる。
    即ち,つぎのように:
     「 自分が別にもう一つ,不思議な(てい)でそこにある。
    退散して,われに安らぎを戻せ!」
    しかし,鏡像に執着して自らこれを求めるふうがあるので,この線はないだろう。


    ♂は,鏡の前に餌を置いたときに,これを取りに来る。
    鏡像を無視して,餌を取る。
    鏡像に怖がるふうはない。

    ♂は,鏡像の詮索は──鏡像と(あい)対することを含め──いっさいしない。
    これはこれで何を表しているのか?