Up カラスとスズメの関係 作成: 2021-02-24
更新: 2021-02-24


    オオワシが餌を食べている横にカラスが群がり,隙を見つけてはその餌をつつく。
    カラスは──少なくとも成鳥カラスは──オオワシが餌と定めるものではない。

    親・先輩・同輩を通じて世界を学習・構築する動物の場合,《自分は何を餌とする,何は自分を餌にしない》の文化が醸成される。
    捕まえようとしても捕まえられない生き物は,「餌」の範疇から最初から除外されるようになる。


    カラス全般とスズメの関係はわからぬが,ハシボソガラスのボソ01とスズメの関係はこんなふうであり,少なくとも成鳥スズメはボソ01が餌と定めるものではない。

    これまで観察してきたところでは,スズメはボソ01から1メートルくらいの近くでも,平気にしている。
    ボソ01もスズメを気に掛けない。

    そして冬の2月になると,冒頭に挙げたオオワシとカラスのような関係が,ボソ01とスズメの間にできてくる。
    餌がひどく乏しい時節なので,ボソ01が餌をとっているところに,おこぼれを期待して寄ってくるスズメがいる。


    ちなみに,ボソ01 を観察するほどに,身体の華奢さ,身体能力の相対的な低さが目につくようになる。
    この身体能力では,餌になるのは,動かないものか動きの鈍い小動物 (虫) ということになる。
    そして実際,そのようである。