Up | 都市の適地は,サバク | 作成: 2024-05-16 更新: 2024-06-13 |
自分の周りから自然を排除する。 自然は,市民にとって気味が悪かったり,恐ろしげなものだからである。 市民は,身のまわりを人工物で固めることで,安心を得る。 地面は舗装して,土中から自然が湧いてこないようにする。 各種自然駆除剤を購入して,自然の生物・自然の臭いの退治に努める。 この市民は,自然に対し脆弱化する。 そして,脆弱化する一方となる。 以上は,市民の「進化」である。 市民とは,このように進化していくものである。 なぜ? 都市とは,もともとサバクを適地とするものだからである。 その「サバク」の意味は,「自然が貧相」。 実際,自然が豊かな地──例えば密林──は,都市が興るところではない。 自然が豊かな地では,人は自然に負けてしまうのである。 古代文明は,いまのサバクの中に遺跡がある。 そこで,「文明はサバク化を導く」と考えたくなる。 実際,木を燃料にし焼畑をつくるために森林伐採をし,耕作放棄地を拡大し,過放牧をしたことなどが,サバク化の原因として挙げられる。 しかし文明は,それの興り得る地がもともとサバクなのである。 ひとが都市をつくろうとして先ず行うことは,そこの自然を破壊してサバクにすることである。 今は重機があるから,これが簡単にできる。 昔はそうではなかったので,もともとサバクであることろに都市をつくったのである。 |