Up サバクの湿潤 作成: 2024-06-14
更新: 2024-06-14


    大気は,移動している。
    この移動に鑑みて,大気中の水分子の量はほぼ一定と考えることになる。
    「乾燥・湿潤」は,大気中の水の多寡を言っているのではない。

    実際,湿度は「暑ければ低く寒ければ高い」というものである。
    「乾燥」のイメージがもたれるサバクは,日中のサバクである。

    サバクは,1日の気温差 (日較差) が大きい。
    夜間には気温が下がるとともに湿度が高まり,さらに結露が生じる。

    サバクの生き物には,この結露から水を得ている者がいる。
    トカゲ類が知られているが,しかしこれは「たまたま観察されたのがトカゲ類」ということに過ぎない。


    サバクが大気から受け取る水量は,降水だけを考えていたら誤る。
    日々コンスタントな結露の量を押さえておく必要がある。

    サバクの地下には,水脈がある。
    それのもとは,降水と結露の2つである。
    どちらも,地中に染み入って地下水脈を形成する。

    植物は,地下水に根を伸ばして,水を摂る。
    大型動物は,湧水で水を摂り,また地下水脈を探り当てて水を摂る。
    人間は,水脈から地下水道 (暗渠) を敷き,通した水を生活用水や灌漑用水にする。