Up | 焼畑農耕 | 作成: 2024-05-10 更新: 2024-05-10 |
作物に肥料をとられるばかりで,減った分の肥料を補わなければ,収穫は減っていく。 これを「地力が落ちる」と謂う。 肥料の調達は,簡単なことではない。 よって農耕は,焼畑農耕が原始的なものになる。 木を切って乾燥させ,他の植物もろとも焼き払う。 そこを畑にすれば,灰が肥料になってくれる。 ただしこの肥料は,もって5年くらい。 地力が落ちた畑は,放棄する。 そして新しく焼き畑を開く。 放棄された土地は,土壌生態系が盛んであれば,比較的短期間 (数十年) で回復することがある。 この短期間の回復を期すことができれば,焼畑農耕は焼畑を循環することで,持続可能なものになる。 1つの焼畑が使える時間をa年,回復に要する時間をb年とすると,一巡する焼き畑の数は,b÷ aである。 例えば a=4, b=60 だと,60 ÷ 4=15 の焼畑を回転させることになる。 翻って,焼畑農耕は,定住生活ではやれない。 露出した表土は,水食・風食に曝される。 地力回復より水食・風食の勢いがまされば,そこはサバク化のスパイラルに陥る。 焼畑農耕には,サバク化スパイラルのリスクが高い確率で伴う。 中国辺境の農村は,(少なくとも一昔前は) 貧しかった。 貧しくて,焼畑をやった。 定住して焼畑をやるので,そこはたちまちサバク化スパイラルに陥る。 こうして中国の辺境は,サバク化が猛烈なスピードで進むところとなっている。 |