Up 生物多様性とサバク化の関係 作成: 2023-12-13
更新: 2023-12-13


    現前 presence は,その時のバランスの形である。
    「安定」は,バランスが壊れにくい様である。
    「定常」は,安定が保たれている様である。

    系を安定・定常にしているものは,系の員の多数・多様性である。
    系の員が多数・多様であれば,系の一部が壊れても全体に響かない。
    破壊は包み込まれ,修復される。


    逆に,員が少数で多様性の乏しい系は,不安定である。
    その系のバランスは,剣が峰に立つ(てい)のバランスである。
    ちょっとした事でバランスが崩れ,破局に向かう。

    その好い例が,人のアレルギー疾患。
    ひとは,自分の体に棲む蟲 (ウイルス,細菌,菌,微小動物) を悪にして,これの撲滅にやっきになる。
    貧相な系になった体は,ちょっとした刺激に動転してしまう。


    土は,多数で多様な土壌生物の系である。
    「土壌劣化」は,この系が壊れることであり,その中身は土壌生物の多数・多様の減少である。
    土壌劣化は不毛化と通じるので,土壌劣化はサバク化と同じである。

    多数・多様の減少は,系が不安定になることである。
    多数・多様の減少と不安定化は正のフィードバックの関係になるので,多数・多様の減少は進行する一方となる。
    こうしてサバク化は,進行する一方なのである。