Up 富士山噴火 : 要旨 作成: 2023-10-29
更新: 2023-10-29


    そろそろ起こっても不思議のないものに,富士山の噴火がある。
    確率統計的に,そうなのである。
    そしてそれは,大地震に続いて起こるものとなっている。


    富士山の噴火は,東京の地上に火山灰を降らせる。
    政府の中央防災会議作業部会は,東京都心で 1〜1.5 センチ積もると試算している。

    「 1〜1.5 センチ」は大したことないみたいだが,そうではない。
    風で吹き上げられると,空調各種が使えなくなる。
    また,いまは「健康」がやかましく言われるときなので,ひとは肺に吸い込まないよう家籠もりを指導される。
    雨が降ると固まる。
    電線だとこれが’漏電のもとになり,停電を招く。
    外に露出している各種信号線も,同様の故障を来す。
    雨で流れても困る。
    「1〜1.5 センチ」でも,下水を詰まらせるのに十分だからである。
    そして東京では,下水の無い生活はできない。

    東京は,この降灰が津波のあった後に続く場合,「もう手の付けようがない」の(てい)を以てお終いになる。
    実際,津波の後では,灰の除去もままならない。
    それのみでも,とんでもない量の回収になるからである。
    廃棄場はそこかしこにあるわけではない。
    そして,人海戦術で作業しても,東京はあまりにも広大である。
    灰は,住宅密集地にだけ降っているわけではないのである。
    もちろん,時間をかければ最後には除去できる。
    しかしひとの生活は,これを待っているわけにはいかない。

    「大東京」にしては,なんともあっけない最期である。
    しかし「大東京」の「大」は,「自分では立てない巨体」なのである。
    「大東京」は虚構である。
    東京の終焉は「虚構の終焉」である。
    それは,あっけない最期になる。