Up 時間幻想 「使用済み核燃料10万年監視」 作成: 2016-04-05
更新: 2016-04-05


    原発は,使用済み核燃料を出す。 これには,高レベル放射性物質が含まれる。
    これがふつうのゴミになるためには,10万年を要する。
    そこで,「10万年監視」となる。

    「10万年」は,「半減期」から算出される。
    使用済み核燃料に含まれる高レベル放射性物質の代表格は,プルトニウムである:
原子力資料情報室 (CNIC) のウェブサイトより
(http://www.cnic.jp/knowledge/2610
使用済み核燃料中に含まれるプルトニウム同位体組成
(2年間運転した電気出力100万kWの軽水炉の中にあるプルトニウム1kgに対する値)
プロトニウム-* 重量比
(%)
放射線強度
(兆ペクレル/kg)
半減期
(年)
239 59.3 1.4 2.41 万
240 24.0 2.0 6560
241 11.1 425 14.4
242 3.8 0.0056 37.3 万
238 1.8 11.3 87.7

    重要比がいちばん大きいプルトニウム-239 の場合,半減期は2万4千年。
    2万4千年の4倍の9万6千年で,1/2 の4乗の 1/16 になる計算である。
    1/16 ならまあいいか」ということで,「10万年」が出る。


    「10万年」は,幻想である。
    「10万年」は,人が考えることのできる時間ではない。
    実際,人を人たらしめているところの経済が,いま10年単位刻みの自滅曲線を描いている真っ最中である。